量産会社からのシェア奪回のための基本戦略と2017年のトレンド

昨年12月に開催された新建新聞社主催の「住宅産業大予測2017」。新建新聞社の代表である三浦祐成氏が経済や消費者の動向を踏まえ、住宅業界の予測をしながら解説してくれる大変興味深くとても面白いセミナーです。今回はレポート第三弾です。第一弾第二弾はこちら。

さて、いよいよメインのテーマ。「2017年の工務店の基本戦略」について。工務店は、量産会社からのシェア奪回をはかるべきだと三浦氏は言います。

その奪回の基本戦略として
(1)スマート&リーン(高品質化&効率化)
(2)B企業(ベネフィット企業)
(3)家づくりのエンタメ&エデュテイメント化

(1)スマート&リーンについては「高品質な良いものを安く作る」一条工務店のような手法です。高品質と一言でいっても、ただ商材の質が高いということでなく「顧客が感じる価値の高さ・顧客が体験する質の高さ」のことでもあります。効率化については、無駄のない体制やプロセスの見直しが必要になります。

(2)B企業は「顧客が得る価値」をちゃんと持っている会社のことです。「この会社に頼んでよかった」と思われること。根本的な事ですが非常に重要なことで、どの顧客にも同じように与えることができるのがB企業だと思います。

(3)家づくりのエンタメ&エデュテイメント化ですが、家づくりの現場に施主が参加できる場面を設けたり、ある部分をカスタマイズできるようにしたりと「自分の好きなところだけ自分でやる」「暮らしのカスタマイズ革命」が必要になってくるのではないかとのこと。その理由は住宅購入メーン層である30代、20代いわゆるミレニアム世代は「カスタマイズ好き世代」だということ。フルオーダーより低コストながらこだわりたいところにピンポイントにこだわりを発揮できる「カスタマイズ」の方がウケがいいのかもしれません。

そして押さえておくべき今年のトレンドは
(1)エコハウス3.0
(2)スマートハウス
(3)働き方

(1)「エコハウス3.0」とは、1.0が断熱気密技術の導入など、2.0が自然素材の木の家など、3.0は省コスト・健康長寿・快適などをテーマにした新たなエコハウス提案です。

(2)スマートハウスはITを使って家庭内のエネルギー消費が最適に制御された住宅のこと。太陽光発電システムや蓄電池などのエネルギー機器、家電、住宅機器などをコントロールし、エネルギーマネジメントを行います。

(3)「働き方」は政府が「働き方改革」を掲げ会社員が副業・兼業をしやすくするための指針づくりに乗り出すなど、どの世代であろうが働ける人は働こうという風潮になっています。その変わりに「働きやすい様々な働き方の提案を」という働き方の改革、多様性に富んだ働き方が様々な企業で実施されることが予想されます。

2017年の基本戦略とトレンドが出たところで、じゃあどうやってお客様に告知して進めていけばいいんだ?という疑問にはこちらの「工務店の集客最新トレンド~ICTを味方につける」を御覧ください。

 

住宅産業大予測フォーラム2017 / 新建新聞社