子どもの発育に住空間はどう影響する?【前編】

もうすぐ新年度がスタート!新年度を期に子供部屋を与えたり、キッズスペースの模様替えなど計画中の親御さんも多いのではないでしょうか。ICA関西2月のセミナーは「子ども部屋のインテリアコーディネート」でした。その内容と合わせながら、どういった住空間にすればいいのか、前後編にわけてご紹介します!


熱中して遊べる・想像力が掻き立てられる空間で大脳の発達に影響
子どもの発達と住空間は密接な関係にあります。9歳頃までは「実用的知能(自分の体で体験・経験することで得る知能)」が先に発達し、そのあとに「論理的知能(文字・記号を通して思考する力)」が発達します。ですので、9歳までの子どもの住空間・住環境は「いかにたくさんのことを体験させてあげられるか」がポイントになります。一つには「熱中して遊ぶ」が子どもにとってはものすごく大事なことで、大脳の発達にも影響を及ぼすそうです熱中して遊ぶ=興奮することと抑止することで大脳が発達するためです。抑止する力が育たないとちょっとのことでキレてしまう大人になってしまいます。また好奇心を引き出すために興味を持ったらそれに触れられる環境も子どもにおおきな影響を与えます。よく言われることですが、ペットを飼うことや公園・自庭の自然に触れることなどですね。

幼少期~9歳までの子ども部屋は「うんと遊べる部屋」にして大きな家具や学習机などは入れずに想像力を掻き立てるようなしつらえにしてあげるのがいいようです。「大きくなると子どもっぽすぎるのは嫌がるだろうから」と汎用的な壁紙やシーツやカーテンで整えるのではなく「今しかできない」子どもらしい、楽しい部屋に。壁紙を張り替えるのは現実的に難しい…と思われるかもしれませんが今は剥がせる壁紙や、剥がせる黒板など様々なアイテムがあります。

画像出典元:壁紙や本舗

画像出典元:カーテン・カーテン


お手伝いでほめられ体験
お手伝いをさせてうんとほめる。「ほめられ体験」でセルフエスティーム=自尊感情、自己認定力、自己肯定力を高めます。この時大事なのは「褒められるためにやった、お小遣いなど報酬のためにやった」という気持ちではなく「私は家族の役に立っている」という気持ちをもたせること。自己肯定力の高い子は自信がつき、自立心が養われ、きちんと自己主張のできる子に育ちます。拭き掃除のお手伝いがしやすいように机や床にものを置かないなど、住環境を整えてあげるのもセルフエスティームを高めるために必要なことでしょう。子ども用の安全包丁や安全なキッチンツール、ハンバーグの型抜きや、小さなほうきやブラシなど、安価で買えるものもたくさんあるので揃えてあげるのもいいかもしれません。

画像出典元:花王マイカジ


後編では欧米と日本の子ども部屋の考え方の違い、子どものいる住空間の照度についてご紹介します!