工務店同士が連携、最大のライバルが最強の味方になる?

2017年7月13日に開催された新建ハウジングのクライアントミーティングに参加しました。今回のセミナーの大テーマは「連携・協業」でした。工務店同士の様々な連携から、異業種との協業・コラボまでとても興味深いな事例を聴くことが出来ましたのでレポートします!

まず一番最初に登壇したのは(有)村田工務店の代表取締役・村田英樹氏。村田氏はJBN九州次世代の会・会長、KNN副会長、いえせん九州会長、くまもと希望の星副会長などなど、様々な会に参加されそのリーダーシップで九州の若手を引っ張っています。どの会もコンセプトはそれぞれに異なるそうですが、共通しているのは「ノウハウを他の工務店に与え、子供や孫の代により良い住宅を残していこう」という理念。

たとえばイエセン九州の会では参加登録している9社が持ち回りで「今、自社で困っていること」をテーマにあげます。そうすると残りの8社が自社の成功事例を伝授し、解決の糸口を見出していきます。自社の宝ともいえるノウハウの数々を、文書やデータで提出しあい出し惜しみなく共有します。粗利表の公開までして、みんなで「ここの粗利もっと上げられるんじゃない?」などツッコミを入れ合うこともあるそうで!他社に自社の粗利表を公開するなんて、すごく勇気がいることだと思いますが第三者目線+同じ経営者目線で改善点がたくさんみつかるそうです。また参加している工務店9社によって特許を取得して、1社で独占しないなど工法やスキルに関することまで連携しています。

さらに、決算書の報告や借入金の公開や返していくスパンまで発表するのだというから驚き!そんなコアなことまで詳らかにするのです。中には「そんなことまで出せない」という人もいたそうですが村田氏が「それを出して今後どういう行動をしていったらいいか、どういうスパンで進んでいけばいいか人前で言い切ることが大事なんだ」と説得、借入金の返済目処まで聴き、その目処が妥当なのかどうかメンバーで協議したこともあるそう!しかしアドバイスのおかげで5年で返済したそうです。

これを聞いて思ったのは、それぞれが元は同業のライバルであり事業内容がよく理解できているからこそ、お互いが最強のコンサル担当に成り得ているんですね。1社ずつの智恵を出し合い、お互いに養分として吸収しあいながらどんどん成長し続けることになっているのです。なんと効率がよく、素晴らしく、そして(想像でしかありませんが)当事者の方たちがとてもその成長を楽しんでいらっしゃるような気がしました。村田氏は「このままでは工務店はどんどん潰れてしまうと言われているなか、地元工務店の力、連携の力が厳しい時代を共に乗りきるカギになる」とおっしゃっていました。

昔は他の競業他社は敵!とばかりにまったく別の道を歩いていましたが、今は敵は最大の味方となり協業・連携のひとつの道を歩むようになり、続いていきそうな気がします。

村田工務店
新建ハウジング