パースコンテスト受賞作品の講評から見るGood&Badポイント

ユニマットリックでは毎年「リックパースコンテスト」と題してパーステクニックを競うコンテストを開催しています。年々応募作品のレベルが上がっており受賞作品はどれもこれも目を見張る力作ばかり。審査員はE&Gアカデミーの東京校・校長、古橋宜昌氏、E&Gアカデミー大阪校・校長、藤山宏氏、パーステクニックのスペシャリスト・松下高弘氏と、豪華な顔ぶれでおこなわれました。3人の先生方の講評から受賞作品のgoodポイントとbadポイントを読み解き、パーステクニックのスキルアップに役立ててください。

◆リックパースコンテスト2016 総合大賞・グランプリtaiGoodポイント
落ち着いたパティオスペースの雰囲気がよく表現されています。【古橋氏】
樹木による遠近感がでており、色彩感覚の美しさが全面にでているパース。【藤山氏】
パースにほどよくエフェクトをかけたことでパースに豊かな表情が生まれています。【松下氏】

Badポイント
申し分ない作品ですが、左側のエフェクトをややかけすぎてディティールがわかりづらい点が少し残念です。【藤山氏】

 

◆リックパースコンテスト2016 エクステリア大賞
02
Goodポイント
無造作におかれた太石や芝の上の小石がリアルで、アイレベルも良く樹木の配置も上手です。【古橋氏】
草花のカラースキームもよくまとまっており、玄関前部分の青い鉢が暖色系のパースの中に差し色として効果的な配置です。【藤山氏】
できるだけ2消点に近づけ、歪みを感じさせない構図で均整がとれています。【松下氏】

Badポイント
玄関ドアの周囲が暗いのでもう一つ光源をおいてもいいと思います。【藤山氏】

 

◆リックパースコンテスト2016 ガーデン大賞
03
Goodポイント
室内から眺めた坪庭の雰囲気がリアルに表現されています。【古橋氏】
フレーム効果を狙った構図で自然樹形の樹木やソファも含めてシックでナチュラル感のある演出に加え、樹木の変化、ソファの低さなどで程よい奥行き感が演出できています。【藤山氏】
1消点に近いパースでとても良い構図がとれています。【松下氏】

Badポイント
外部空間に照明があるのであればもう少し遅い時間を想定したほうがより美しいパースになったかと思います。【古橋氏】
中央部分の陰影処理含めもう少し明るさにメリハリがあるとより魅力的なパースになると思います。【松下氏】

 

◆リックパースコンテスト2016 和風大賞04
Goodポイント
池に建つ東屋の雰囲気がよく表現されています。【古橋氏】
東屋にフォーカスしながら両サイドの樹木をポイントとし、色彩感覚溢れる美しいパースに仕上がっています【藤山氏】

Badポイント
構図的には手前の園路をもう少し削って迫力を出してもよかったかも知れません。【松下氏】
右部分の池の映り込みがごちゃついて見えるのでもう少しすっきりさせた方がよいと思います。【藤山氏】

 

◆リックパースコンテスト2016 ライティング大賞
05
Goodポイント
秋の雰囲気がしっかりと出て、月見団子などの作り込みがリアルです【藤山氏】
多少俯瞰した位置からの構図の取り方が上手です。落ち葉によって自然の移ろいを感じさせ情感溢れるパース。【松下氏】

Badポイント
腰掛けている人物がわかりにくく、中途半端な効果なのでなくてもいいかも知れないです。【古橋氏】
落ち葉にもう少し大小の差があればより自然で美しいパースになると思います。右手奥の緑色の落ち葉はやり過ぎなような気がします【藤山氏】

 

◆リックパースコンテスト2016 ファンタジー大賞
ss
Goodポイント
手描きのような温かみと細かいところまで遊び心が満載で好感がもてます【古橋氏】
ファンタジックな画面構成がなされ、色合いもよく調和しています。【藤山氏】

Badポイント
イラスト調で表現したかったのでしょうが全体的に少し陰影表現が乏しいので、軒下の影などを入れるとより立体感がでてパースに厚みが生まれると思います。【松下氏】

 

いかがでしたか?素晴らしい受賞作品は見るだけで勉強になりますが、良い点と改善点を合わせてみるとさらに勉強になりますよね。リックパースコンテストのサイトでは受賞者のコメントもご覧いただけます。次回は「優秀賞」の作品のGood&Badポイントをご紹介したいと思います。