手描きパーステクニック(アイテムスケール編)

手描きのパースを描く際に重要なことの一つに「スケール感をつかむ」ということがあります。「スケール感をつかむ」とは「物の大きさ」や「奥行き感」を正しくパース内に描きこむこと。例えて言うならばパース内に門扉があったとして、その横に設置されたポストが門扉の半分くらい大きさがあるとおかしいですよね?パースが狂って見えますよね。
ただ一口に「スケール感をつかむ」といっても感覚によるところが大きいので、スケール感をつかむには練習あるのみです。標準的な「アイテムの大きさ」と「比較」を覚えておくことはスケール感をつかむのに役立ちます。エクステリアパース内によく登場する「アイテムのスケール」をご紹介します。

■門扉や塀

門扉の高さは1m~1.2mが一般的なようです。塀もそれに準ずるか、防犯のため高く設定する場合もあります。

■ポスト

アメリカン式と埋込み式で少し寸法が違いますが、だいたいタテが20cm前後、奥行きは35cm~38cmです。

■ライト

ライトは直径10cm、高さは製品によってだいぶ開きがありますが35cm~65cmほどが一般的です。

■車

軽自動車の場合、高さは1.4m、長さは3.6m、幅は1.5m。


普通乗用車の場合は高さはは1.4m、長さは4.6m、幅は1.7m。一般的に直角駐車に必要な寸法は長さ6.6m×幅3mです。後ろ側にはトランク開閉用のスペースも必要ですので植栽配置の際などは気をつけないといけません。

■カーポート

カーポートはメーカーによってかなり開きがありますが、高さは1.9m~2.8m、長さ5.1m、幅2.6m。

■ベンチ・パラソル

ベンチの幅は1.2m、奥行きは60cm。パラソルの高さは2.2mほど。

■イスとテーブル

ガーデンチェアの高さは80cm~90cm、テーブルの高さは70cm、幅・奥行きは75cm。

■パーゴラ・アーチ

パーゴラの高さは2.1m、長さは1.8~2.7m。

■物干しスペース

意外と高さがある物干しスペース。1.8m、幅も1mあり、さらにそこに人が立って作業するスペースの確保もしなければなりません。

■物置・室外機・立水栓

物置は1.9m、幅は1.8mあります。室外機も63cm、80cmと意外とスペースが必要です。

パースによく使う「物のスケール」を覚えておくと手描きで描く時、とても便利です。大きさはもちろん、色や形やシルエットを頭に叩き込んでおくと、自然に感覚がつかめるようになるそうです。

 

参考出展:エクステリアの色とデザイン/松下高弘著