1. HOME
  2. ブログ
  3. レポート
  4. エクステリア・ガーデンでできる防災・防犯とは?

エクステリア・ガーデンでできる防災・防犯とは?

2025年4月10日に開催されたEXG(エクステリア×ガーデンエキシビジョン)で開催された「エクステリアができる防災・防犯セミナー」セミナーのレポートです! 登壇者は芦川美香さん(株式会社アフロとモヒカン)、元平絹代さん(三協立山株式会社 三協アルミ社)、伊藤亜希子さん(株式会社ユニソン)の3名。ブロック塀診断士や防災士の資格をお持ちで、エクステリア業界で活躍されています!

最近の住宅にまつわる犯罪の多くは侵入窃盗・強盗

高齢者を狙った悪徳商法や、車両盗難、屋外の物品盗難などがありますがやはり一番多いのは「侵入窃盗」。約65%が空き巣ですが、約30%は在宅時に侵入されています。近年、侵入強盗で傷害致死の事件も増えていて凶悪性が取り沙汰されています。さて、その窃盗犯や強盗犯の侵入経路で圧倒的に多いのが「窓」です。ドアの施錠破りはドアの性能がアップしたことにより減少しているそうです。窃盗犯や強盗犯は下見をすることが多いようで、
・防犯対策をしていない
・死角が多い
・ドアや窓などの開口部が多い
・留守が多いことがわかる
これらの条件を満たす家をターゲットに狙うそうです。

相変わらず人気のオープンスタイルの外構。できる防犯対策は…

今回のセミナーに先立ち、日本庭女子会にわとわにで外構設計・施工に携わるメンバーへアンケート調査をおこなったそうです。「最近てがけているスタイルは?」の回答では70%以上が「オープンスタイル」と答えました。依然、人気の強いオープンスタイルの外構ですが、クローズドスタイルに比較すると防犯面が気になります。「お客様からの防犯対策への相談は?」という質問項目では50%の方が「増えた」と回答。やはり近年の強盗事件の増加が影響しているようです。
オープンスタイルでもできる防犯対策として以下の点を挙げていました。

◆門まわり
・カメラ付き高機能センサーライトをつける
・死角をつくらない門周り設計
・オープンのスタイルは残しつつフェンスなどの工夫でクローズドスタイルに。
・門扉にシリンダー錠を設置。電気錠付き門扉もおすすめ!

◆外囲い(ファサード)
・足がかりを作らないフェンスを選ぶ
・大和塀風フェンスで風を感じさせつつしっかりクローズドに
・フェンスと照明を組み合わせさらに棘のある植物を組み合わせる

◆窓
・死角になりやすい窓は面格子を設置
・窓付近に防犯砂利を敷く

エクステリア&ガーデンでできる防災対策

全世界的に気候変動の影響により毎年のように水害や土砂崩れ、酷暑などの災害が起こっています。さらに地震大国日本では、地震による被害も避けられません。エクステリア&ガーデンでできる防災対策とは…

1.地盤を調査する
地盤に沿った正しい計画と施工をおこなうこと、が大事だと芦川さんは言います。とはいえ、地盤はどのように調べるとよいのでしょうか?地盤の強度の簡易判別法として試験掘りで判断する方法があります。また地形の様子や周辺の植生などから推測する方法もあります。たとえば、地盤を構成する土には砂質と粘度質があり、砂質の粒には均一性があり隙間が少ないのに対して、粘度質は粘り気があり隙間多いため圧力がかかると空隙内の水分や空気が外に出てしまい、変形しやすいという性質があります。



2.デザインも楽しめてベンチにもなるプランターで防災グッズを備える
グリーンを育てながらベンチにもなりデザインも素敵なため、日常使いしながら防災関連グッズを収納でき、いざという時に役立つプランターで日々の備えをしてみましょう。「防災は危機感を持ってやるものですが、生活を豊かに彩りながら毎日の当たり前のこととして楽しくとらえてもらえれば。」と伊藤さんは話していました。



3.防災を意識して開発されているブロック塀などを選定する
日本建築学会基準に適合した、鉄筋かぶり厚さを確保した安心で安全な形状のブロック塀を選びましょう。ブロック塀が地震で倒れ下敷きになってしまった悲しい事故もありました。昔の古いブロック塀は耐用年数を超えて現行法にそぐわないものやそもそも違法なものもあります。災害時の倒壊等による他者への損害は所有者・管理者の責任になり賠償責任を伴います! 「施主様にそのことを伝え、現行法に遵守した製品に取り換えることはエクステリア・外構業界で働く設計者たちの使命です。」と芦川さんは話していました。危険ブロックの対策をが大事なのは道路啓開計画に影響を及ぼす影響もあるからだそうです。救助や救援物資運搬のための車両を最短でで通行させるための計画のこと。もし倒れたブロック塀のがれきが走行を足止めしてしまうと救助の遅れによる間接的死者が増加してしまいます。そのため危険ブロックの対策は非常に重要なのです。

4.サバイバルエクステリア&ガーデン! アウトドア防災を自宅で
避難所ではなく自宅で避難することを在宅避難といいます。水道やガス、電気のインフラが復旧されない中、自宅で数日か数週間過ごすことになるのですが、その時エクステリア&ガーデンでできることがあるといいます。「バーベキューグリルがあれば調理ができます。グリルでなくても簡易のかまどがあれば問題ありません。菜園で常に食料を作っておくのも、楽しみながらできる防災対策。雨水タンクの利用や、もし井戸があるのなら使わないからといって潰してしまうのはもったいないこと。エクステリア&ガーデンでできるサバイバルアイデアはたくさんあります。」と芦川さん。

関連記事