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CADとは?~設計のパソコンツールをやさしく解説〜

建物や家具、家電製品…。
私たちの身の回りにある“形”の多くは、実はCAD(キャド)で設計されています。

CADは「Computer-Aided Design(コンピュータ支援設計)」の略。
パソコンを使って図面を描いたり、設計をサポートしたりするソフトのことです。
手書きの図面よりも寸法調整や修正が簡単で、完成イメージも正確に確認できます。

たとえば住宅設計なら、壁や窓の位置を変更したり、家具を配置して動線をチェックしたり。
インテリアや造園分野でも、素材や照明を変えて空間の雰囲気をシミュレーションできます。

こうして、建築・インテリア・機械・エクステリアなど、さまざまな業界で活用されています。

目次
1.CADを使う主な職業
2.CADの種類と特徴
3.汎用CADとの違い
4.よく混同される言葉
5.CADを活用するメリット
6.まずはCADの違いを知るところから

CADを使う主な職業

CADは「設計を支援するツール」ですが、その用途は非常に幅広く、業界ごとに役割が異なります。
ここでは代表的な職種を見てみましょう。

建築設計・住宅設計
建築士や設計事務所、住宅メーカーでは、建物の間取りや構造を設計する際に建築CADを使用します。
建築基準法に沿って正確な図面を作成できるだけでなく、3Dで完成イメージを確認しながら施主との打ち合わせを進めることができます。

インテリアデザイナー
内装や家具の配置、照明の位置などを計画する際にCADを使います。
CADデータをもとにCGパースを作成すれば、空間の雰囲気やカラーコーディネートをリアルに再現できます。

機械設計・製造業
機械CADを使って部品や装置の設計を行います。
ミリ単位の精度で形状を作り込み、組み立てのシミュレーションも可能です。
設計データをCAMに連携し、実際の加工機械を動かすこともできます。

エクステリアプランナー・造園設計
建物の外まわり――門柱、フェンス、駐車スペース、植栽、照明などをデザインする職種です。

エクステリアCADを使えば、建物と外構を3Dで一体的に表現でき、昼夜の光の演出や素材感までリアルに伝えることができます。
お客様に「完成後の暮らし」をわかりやすく提案できるのが大きな強みです。

エクステリアプランナーは設計だけでなく、メーカーや職人との調整、見積作成など幅広い業務を担当します。
そのため、CADスキルに加えて建材知識や施工への理解も欠かせません。
現場経験を持つプランナーほど、より現実的で説得力のあるデザイン提案ができるといわれています。

たとえば、

  • 夜のライトアップを再現して照明位置を検討
  • 車の出入りを3Dでシミュレーション
  • 庭の木の影が建物にどんな印象を与えるか確認
    といった“感覚的な要素”を見える化できるのが、エクステリアCADの魅力です。

土木・インフラ関連
道路・橋梁・造成などの設計にもCADが活用されています。
地形データや測量データを取り込み、正確な施工図面を作成できます。

CADの種類と特徴

機械CAD
部品や装置をミリ単位で設計し、組み立てのシミュレーションも可能です。
製造現場では、CADで描いたデータをそのままCAM(キャム)に渡して加工することもあります。

3D CAD
立体モデルを作成し、光の入り方や空間の印象をリアルに再現できます。
完成前に干渉チェックや動作確認ができるため、ミスの削減につながります。

建築CAD
住宅やビルなどの設計に使われます。
間取りや窓の配置を正確に描けるだけでなく、立体的なパースでクライアントに完成イメージを伝えることも可能です。

エクステリアCAD
外構・庭まわりの設計に特化したCADです。
建物の外観と調和をとりながら、門柱・フェンス・植栽・照明まで立体的に表現できます。
敷地形状や高低差、ライティング演出までシミュレーションできるため、屋外空間の設計に特化したツールといえます。

汎用CADとの違い

現在、世の中にはさまざまな種類のCADソフトがあります。
その中でも代表的なのが、建築・機械・土木など幅広い分野で利用されている汎用CADです。
たとえば、多くの企業で使われているAutoCAD(オートキャド)や、日本で根強い人気を持つ無料ソフトJw_cad(ジェイダブリューキャド)などが挙げられます。

これらの汎用CADは、線を引く・寸法を入れる・図面を作成するといった基本的な作図機能を備えた便利なツールで、平面図や構造図などの設計業務に広く使われています。

一方、エクステリアCADは外構設計に特化しており、フェンスやブロック、植栽、照明などのパーツをドラッグ&ドロップで配置するだけで、リアルな完成イメージを作成できます。
図面とパース(完成イメージ)を同時に作成でき、提案や確認のスピードも大きく向上します。

よく混同される言葉

用語意味
CAM(キャム)CADで作った設計をもとに、加工・製造を行うツール
BIM(ビム)建物の情報(構造・材料・工程)を一元管理しながら設計する仕組み
グラフィックソフト(Illustratorなど)見た目のデザインを作るもので、寸法精度は重視されない

ポイントまとめ

  • CAD → 設計を正確に描く
  • CAM → 製造工程を支援する
  • BIM → 建物全体を情報管理する
  • グラフィックソフト → デザインを表現する

CADを活用するメリット

CADを使うことで、修正や共有がスムーズになり、設計の正確さと効率が大幅にアップします。
3Dで完成形を確認できるため、打ち合わせの段階から「イメージのずれ」を防げます。

また、データとして保存・共有できるので、社内外のメンバーと同じ情報をもとに作業を進められます。
図面修正や見積もり作成の手間も減り、結果として働く時間の短縮や品質向上にもつながります。

特にエクステリアCADでは、光の当たり方や素材の違いをリアルに再現できるため、提案の説得力が格段に向上します。

まずはCADの違いを知るところから

一口にCADといっても、建築CAD・汎用CAD・エクステリアCADでは目的も機能も異なります。
「無料で始められるCAD」と「実務に強いCAD」の違いを理解することが、最初の一歩です。

CADは、単なる“作図ソフト”ではなく、ものづくりの発想を形にするツール。
これから建築・デザイン・エクステリアの仕事を目指す方にとって、CADを使いこなす力は欠かせないスキルのひとつです。

ホワイトペーパー『エクステリアCADと汎用CADの違い』では、
代表的な機能比較や、実際の作図例を交えてわかりやすく解説しています。
これからCADを学ぶ方や導入を検討している方は、ぜひご覧ください

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