今、労働環境の変革が叫ばれているエクステリア業界。品質を維持しながらの生産性向上に苦戦している企業も多いのではないでしょうか。そこで、ユニマットリックでは8月2日(水)・3日(木)に「RIK SOLUTION DAYS 2023〜これからに向けての課題が見つかる、解決方法が見つかる2日間〜」を開催しました。DAY1となる8月2日(水)は、エクステリア業界が直面している課題にクローズアップし、解決に向けて取り組まれている方々にお話しを伺いました。

こちらはDAY1のイベント内容を簡単にまとめたレポートです。

※アーカイブ配信は2023年9月15日(金)に終了しました

エクステリア業界にも影響がある「問題」を共有

はじめに、「エクステリア業務を取り巻く環境の変化を共有する必須キーワード」と題して、ユニマットリック取締役の吉村公良がオープニングセッションを行いました。

「建設業の2024年問題」をご存知でしょうか。

建設業では長時間労働が根深い問題となっています。その背景にあるのが、人材不足と働き手の高齢化。2021年における建設業就業者は、29歳以下が12.0%なのに対して、55歳以上が35.5%を占めており、このままでは10年後、20年後に更なる人材不足に陥る可能性も。そんな中で、働き方改革により2024年4月から建設業の時間外労働に罰則付きで上限が設けられます。今までより少ない人数、短い時間で、同じ量の案件に対応することが求められる時代になるのです。

そこで、国土交通省では2016年から「i-Construction(アイ・コンストラクション)」を実施。i-Constructionとは国土交通省が掲げる20個の生産性革命プロジェクトの1つで、測量から設計、施工、検査、維持管理における全ての事業プロセスでICT技術を活用し、建設業界の生産性向上を目指す取り組みです。

これからの時代、適正な労働時間の管理や若手人材の採用・育成を進めていくためには、業務のICT化がカギとなります。

当日のアーカイブ動画では2024年の法改正を詳しく解説し、今後企業が取るべき対策、i-Constructionにおける3つの具体的施策について説明しています。

株式会社ユニマットリック
取締役 吉村 公良

Google口コミ高評価の秘訣は顧客の納得感

今や、ホームページやSNS広告に並ぶ集客ツールとなっている「口コミ」。この口コミで数々の高評価を獲得しているのが、株式会社サン・ホーム ガーデン光房です。今回は加治木店の店長 村橋大輔 様に「商談の効率化〜紙の図面を渡さず、より価値ある提案により、契約までのスピードアップ〜」というテーマでお話しいただきました。

「お客様に喜ばれる仕事をします」を企業理念の1つに掲げるガーデン光房。商談に「BIMx」を活用し、3Dの図面で提案をすることで顧客満足度を高めることに成功しています。

BIMxは作成した3Dモデル・2D図面をいつでもどこでも閲覧できるツールです。加治木店では社内での商談に利用するほか、顧客に専用のアプリを入れてもらい、自宅でも3Dモデルを確認できるようにしているそうです。顧客からは「スマホでさまざまな角度から自由に確認できてよかった」と高い評価を獲得。顧客の目線に立って提案を行うことが、顧客の納得感につながっています。

村橋氏は「3Dの図面を見せることで説得力のある提案ができる。BIMxがないと契約ができない!」と語り、自身にとっても欠かせないツールとなっているようです。

動画では実際に施工したお庭の3DデータをBIMxを使ってご紹介いただいております。

株式会社サン・ホーム ガーデン光房(宮崎県)
加治木店 店長
村橋 大輔 様
https://www.ge-kobo.co.jp/

業務管理をクラウドする理由

企業が大きく成長していくにつれて難しくなる業務管理。同時にいくつもの案件を抱えていると、作業状況を社内で共有しきれず、業務の二重管理・対応漏れによりクレームが発生することも。

そこで、東神ハウス株式会社 代表取締役社長 鈴木康宏 様には「業務管理のIT化〜まずはスモールスタートで自社にあったスタイルを見つけよう!~」というテーマで、日々の業務を効率的に進める方法についてお話しいただきました。

2023年8月で創立50周年を迎える東神ハウス株式会社では、業務管理に「RIK bizmo」を導入。RIK bizmoは顧客情報や営業進捗、作業状況を一元管理して共有できるクラウド型の業務管理システムです。社員全員がPCやスマホから全ての情報にアクセスできるため、情報共有のための会議や打ち合わせに時間がかかりません。

同社では顧客の情報を顔写真付きで登録し、リピーターからの問い合わせがあれば、顧客の顔と以前の契約内容がすぐに結びつくようになっています。

また、鈴木氏は社員の評価にもRIK bizmoを活用。「1件あたりの利益計算ができるため、社員の公平な評価に役立てています」と話しました。社員のモチベーション向上、そしてマネジメントの面から見ても大きなメリットを感じているようです。

※RIKbizmoビジネスプランからアップグレードをすると、さらに多くの機能をご利用できます。

東神ハウス株式会社(神奈川県)
代表取締役社長
鈴木 康宏 様
https://www.toshin-house.com/

人材採用・育成の失敗事例から学ぶ

「採用した社員がすぐ辞めてしまう」

「頼れる若手を育てるのが難しい」

このような悩みはエクステリア業に限らず、さまざまな業種で永遠の課題となっています。そこで今回は、千葉県柏市の株式会社ボックスウッドから代表取締役・井田 直樹 様をお招きして、「採用と教育〜ボックスウッドが直面した失敗、そして気付いた効果的な人材育成手法〜」についてお話しいただきました。

「おしゃれなお庭をつくりたい」と、華のある仕事を夢見てエクステリア業に応募をする就活生も多くいます。しかし、いざ仕事をしてみると業務の大半を占めるのは施工管理。責任を問われる場面も多く、社員からは「思っていた仕事と違った」という声も上がったと言います。

プランナーという仕事、主に施工管理について深く説明していないことが原因と考えた井田氏。そこで、新人プランナーでもヒアリングから施工管理、アフター管理まで責任感を持って業務を遂行できるように、独自の教育方針を策定。「教わる」から「理解する」教育に変更し、独自のチェックリストを活用しながら教育を進めることにしました。教育期間内に理解してほしいことを細かくチェックリストに落とし込んでみると、これまで教えられていなかった項目にも気がついたと言います。教育にはE&Gビジネスラーニングのカリキュラムも取り入れ、理解度の向上に役立てているようです。

動画内では株式会社ボックスウッドで実際に活用しているチェックリストを公開!また、同社で活躍する社員のさまざまな取り組みについてもご紹介いただいております。

株式会社ボックスウッド(千葉県)
代表取締役 井田 直樹 様
https://boxwood.jp/

RIKCAD活用最前線! iPhone点群アプリで現調、作図を効率化

前述のi-Constructionにより3次元測量が普及しつつある今、測量や図面作成に点群データの活用が進められています。そこで、合同会社にわけん 代表の須藤 謙 様には「RIKCAD活用事例〜現場測量に役立つ点群アプリがエクステリアDXを推進〜」と題し、点群データとRIKCADを組み合わせた最前線の活用法をご紹介いただきました。

「測量の展示会へドローンを見に行くつもりが、点群アプリに出会った」と語る須藤氏。これはすぐに活用できると感じ、導入に踏み切りました。

点群とは3次元測量によって得られる点の集合で、一つひとつの点に位置情報と色情報が追加されています。須藤氏は「Scanat」という点群アプリを利用し、スマホ1台で測量を行っています。

実際に使ってみると、これまで1時間かかっていた測量がなんと20分で完了!傾斜や凹凸のある場所でも簡単に測量できるため、材料の調達や見積作成にも役立っているようです。

また、動画を撮るように測量をした後は、わずか数分で3Dモデルを作成することができます。同社では点群の3DモデルをRIKCADに取り込み、図面の作成にも活用しています。 動画では点群アプリを使って測量をしていただき、点群データをRIKCADに取り込むまでの流れをご紹介いただきました。

合同会社にわけん(茨城県)
代表
須藤 謙 様
https://www.niwaken.net/

契約までのスピードをいかに短縮するか、を実践

神奈川県の株式会社小川総業 代表取締役 小川 祥太 様には「WEB簡易外構提案ツール活用事例〜RIKCADとの連携で新しい業務フローが実現〜」というテーマで、契約までの期間を短縮する独自の取り組みについてお話しいただきました。

年間約200件もの案件を扱う株式会社小川総業では、顧客への提案に「RIKソトタス」(2023年9月に「RIK sotomo」は「RIKソトタス」へリニューアル予定)を活用しています。RIKソトタスは外構の知識や経験がなくても簡単に外構計画・概算見積ができるクラウド型ツールです。以前は図面の作成を外部に委託していた同社ですが、提案までの時間の削減を考えた結果、RIKソトタスの導入を決めました。導入後は社内で図面を作成し、よりスピーディな提案が可能に。図面の作成経験がない社員でも、すぐに使いこなせるようになったと言います。

また、同社ではRIKソトタスの拾い出し機能を使い、図面とそれに応じた概算見積表を見せながら商談を行っています。「嘘偽りのない金額を見せることで顧客に安心感を与えられる。この安心感が契約につながっている。」と、小川氏は話します。 アーカイブ動画では実際にRIKソトタスを使いながら、契約までの流れをご説明いただいております。

株式会社小川総業(神奈川県)
代表取締役
小川 祥太 様
https://ogawasogyo.com/

DAY.2のレポートはこちら