2025年7月1日、「RIK SQUARE! 2025」が東京駅前のJPタワーホール&カンファレンス(東京)にて開催され、大盛況のうちに幕を閉じました。本レポートは、当日の様子を3回に分けてお届けする第3弾です。

今回は、RIKコンテスト2025の授賞式、E&GアカデミーOBによる活動報告・交流会、そしてセミナー終了後に行われた懇親会の様子をご紹介します。

目次
RIKコンテスト授賞式開催!
 |-審査委員長、古橋宣昌氏による総評
 |-総合大賞グランプリ受賞 蒼凪の庭 冨安 俊貴氏
 |-富安氏は“ファンタジー大賞” “優秀賞”も受賞!
 |-ファサード大賞  有限会社エクステリアの森 中村 達也氏
 |-ガーデン大賞・RIKCAD特別賞 中部建商株式会社 高柳 奈々氏
 |-動画大賞 有限会社エクステリアの森 三好 俊典氏
E&GアカデミーOB活動報告会
大規模な懇親会! 新たな出会いとイノベーションの芽が息吹く場
 |-乾杯のご発声は(株)岐阜造園 小栗達弘氏
 |-参加者の熱気があふれ、エネルギーに満ちたRIK SQUARE!2025

RIKコンテスト授賞式開催!

今年度も開催されたRIKコンテスト2025。RIK SQUARE!2025の会場では、受賞者4名の授賞式と作品解説が行われました。まず、審査委員長を務められた古橋宜昌 氏(E&Gアカデミー校長、 JEXA日本エクステリア設計協会会長、有限会社エクスプランニング 代表取締役)よりコンテストへの所感をいただきました。

審査委員長、古橋 宣昌 氏による総評

古橋:今年度も、素晴らしい作品が数多く出揃いました。どの作品も非常に作り込まれており、作品に込められたメッセージがしっかりと伝わってきました。日常の業務において、動画を制作するのは簡単ではありませんが、動画は非常に力強いプレゼンテーションツールとなる可能性を感じさせます。AIによって多くの作業が自動化される時代となりましたが、それでもプランナーとして譲れない“プランアイデア”に時間をかける姿勢が、多くの作品から伝わってきました。どの作品からも、感情のこもった物語性が感じられ、エクステリアの未来に希望を持てる内容でした。

総合大賞グランプリ受賞 蒼凪の庭 冨安 俊貴

総合大賞グランプリ「庭宴」
富安:今回のパース作品では、町並みの景観表現も意識しました。私が作品作りで大切にしているのは人間が本能的に求める“森”や“自然”に癒やされる感覚です。そのため、自然のままに生えているような植栽や、柔らかさを感じさせるデザインを心がけています。例えば、葉の先の部分を透過させることで、樹木の柔らかさを表現しています。また、石材などのマテリアルには凹凸情報を加え、よりリアルな質感を出すよう工夫しました。ちなみに実際の施工においては、樹木の選定から植え付けの指示まで、自分で行っています。パースの表現力だけでなく、実施工も大切にしています。

富安氏は“ファンタジー大賞” “優秀賞”も受賞!

ファンタジー大賞「Nobody Tokyo」
優秀賞「木洩れ陽のリトリート」
富安:ファンタジー大賞を受賞した作品は、自身の妄想を追求したものです。南新宿周辺のビルを参考にし、Googleマップで実際のスケールを確認しながら手作りで建物を追加し、Twinmotionで仕上げました。あまりに時間をかけたので、途中で「何をやっているんだろう…」と途方に暮れることもありましたが、最終的には満足のいく作品に仕上がり思い入れの強い作品となりました。“木漏れ日のリトリート”は、天井の木目、木と光、水や空気感など、細部にまでこだわりました。たまに、同業者の方から「コンテストはレベルが高すぎて無理」といった声も聞きますが、諦めてしまうのはもったいないと思います。上手な作品を見て真似し、学び、挑戦する場があることは非常に重要です。切磋琢磨することで、業界全体の発展につながると信じています。

ファサード大賞  有限会社エクステリアの森 中村 達也 氏

ファサード大賞「趣味のファサード」
中村:実用性を重視し、特に「愛車が見えること」「ガレージとしてのこだわり」を意識しました。各素材ごとに、反射や凹凸といったテクスチャ設定をかけ、リアルな質感を目指しました。レベル処理も行っています。角やコーナーに丸みを与えることで白いラインが現れ、全体に柔らかく自然な雰囲気が出るようになります。ライティングにはHDRを用い、シーン全体の雰囲気をコントロールしています。何度もレンダリングを行い、壁や間接照明など細かな部分まで調整を重ねました。使用ソフトは、RIKCADとBlenderです。パソコンのスペックが足りなかったため、クラッシュやフリーズが多発しました。そのため、植栽やテクスチャの処理を減らすなど、工夫しながら作業を進めました。

ガーデン大賞・RIKCAD特別賞 中部建商株式会社 高柳 奈々 氏

ガーデン大賞・RIKCAD特別賞「隣り合う自然」
高柳Pinterestや雑誌を参考にしながら、作品のインスピレーションを得ています。最近はSNSの影響もあり「縦空間」が注目されているため、今回はその表現に挑戦してみました。広がりやダイナミックさを感じられるよう、抜け感や、中心から左右へ広がる構成を意識しました。レンダリングの設定も非常に細かく調整し、照明オブジェクトの使い方にも工夫を凝らしました。すべてRIKCADで仕上げています。特に、天井を抜いて床に水面を配置し、反射を利用して縦のラインを強調することで、より印象的な空間に仕上げました。

動画大賞 有限会社エクステリアの森 三好 俊典氏

動画大賞「秋の彩」
三好:今回の作品は、建物の作成から取り組みました。当初、ファサードとカーポートが大きすぎたため、建物自体を作り直しました。ファサード面の大きな白い壁には、シャープさが出るよう工夫を加えました。カーポートの足元の石の装飾は、スラブを使って手作りしました。中庭のアイアンパーゴラには既成のオブジェクトがなかったため、自作しています。植栽は紅葉の季節に合わせたものを選びました。特に苦労したのは、光源の設定です。カメラアングルやカット割りにもこだわり、俯瞰的な視点も取り入れています。動画の構成では、カットの切り替えのタイミングを0.1秒単位で調整し、より効果的な演出を心がけました。

それぞれの受賞者のアイデアやこだわりポイント、作品にかける熱意などが垣間見え、クリエイティブを刺激された方も多かったのではないでしょうか。次回、RIKコンテストへの応募を心よりお待ちしております!

※RIKコンテスト2025のすべての受賞作品はこちらでご覧いただけます。

E&GアカデミーOB活動報告会

ユニマットリックが運営するエクステリア&ガーデンの専門校 E&Gアカデミー。26年間の実績があり、卒業生の多くがエクステリア業界で活躍しています。今回はOB交流会も兼ねて、前岡 謙介 氏(株式会社グリーンランド ランド・ガーデン/週一コース2019年卒)山下 純子 氏(株式会社おなじつくえ/全日クラス25期生)による活動報告会を行いました。進行は今井 妙子、鈴木 恵美子、西川 るな(株式会社ユニマットリック E&Gアカデミー事務局)が務めました。

40人近いOBが駆け付け、思い出話や現在の活動、これからのエクステリアの未来について活発な交流が行われました。

大規模な懇親会! 新たな出会いとイノベーションの芽が息吹く場

すべてのセミナー終了後には、ホワイエにて懇親会を開催。大変多くの方々にご参加いただき、活発な交流と新たな出会いが生まれる貴重な場となりました。

乾杯のご発声は株式会社岐阜造園 小栗 達弘 氏

乾杯のご発声を株式会社岐阜造園 代表取締役会長の小栗 達弘 氏からいただきました。共に業界の未来を良くしていこう!という力強いメッセージをいただきました。

参加者の熱気があふれ、エネルギーに満ちたRIK SQUARE! 2025

名刺交換が絶えず続き、「来てよかった」との声が多数。全国から約330名の来場者が集い、大盛況のうちに終了しました。


RIK SQUARE!2025では「エクステリアのイノベーション」「エクステリアの未来」をキーワードに、非住宅領域までを視野に入れた外空間の可能性を探る時間となりました。

ご参加いただいた皆さまの熱意に、心より感謝申し上げます。
そして、今回はご都合が合わず参加できなかった皆さまにも、このレポートを通じて少しでも当日の熱気や学びを感じていただければ幸いです。

この出会いや学びが、新たな連携と価値創造のきっかけとなることを願っております。
来年のRIK SQUARE!で、皆さまとお会いできることを楽しみにしています!

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