2025年7月1日、「RIK SQUARE! 2025」が東京駅前のJPタワーホール&カンファレンス(東京)にて開催され、大盛況のうちに幕を閉じました。会場には、330名を超える参加者をはじめ、協賛出展ブースの各社、ユニマットリックのメンバーなど、多くの関係者が集結。エクステリア業界におけるAI/DX活用や非住宅分野への展開など、業界最前線の情報が共有されました。
交流会では、多くの皆さまと直接語り合う機会に恵まれ、新たな出会いやネットワーク構築の場としても大いに賑わいました。また、同日には「RIKコンテスト2025」授賞式や「E&GアカデミーOB交流会」も開催され、イベントは終日大いに盛り上がりました。
本レポートは、当日の様子を3回に分けてお届けするシリーズの第1弾です。今回は、イベントの幕開けと最初の講演、企業ブースの様子をご紹介します。

目次
RIKのビジョンについて
エクステリア・ガーデンの未来は、DXとAIでどう変わるのか?
|-AIによる検索スタイルの変化
|-さらに進化するAIエージェント
|-ヒューマノイドロボットの急成長により仕事が激変
|-現場でのAI活用とDX推進
|-画像生成AIや3Dモデルを駆使して、オリジナルCAD部材の作成
|-現場のシミュレーションはAR、現場管理は点群データを活用
|-セミナー相互質問
|-AI・DX導入の第一歩
|-効率化による時間の再投資
各企業ブースが注目の最新技術やライフスタイルを提唱
エクステリアにイノベーションを!RIKのビジョンについて
ユニマットリック代表の小松正幸が登壇し「~RIKのビジョンについて~」と題してRIK SQUARE! 開催への意気込み、これからのエクステリア業界について語りました。

小松:RIK SQUARE! が6年ぶりにリアルで開催できることを、大変嬉しく思っております。現在、エクステリア業界には多くの課題が存在しています。そうした中で私たちは今、エクステリアにこそイノベーションが必要だと感じています。特に非住宅分野には巨大なマーケットが広がっており、これまで以上に外空間の価値が問われています。外空間の暮らしを豊かにすることは、街全体の価値を高めることにも繋がります。私たちはAIを活用した新しいこれまでにない革新的な機能を実現しようとしています。また、コントラクト業務への対応や測量の分野におけるDXも進めています。高精度な3次元点群データによる測量や、法改正への対応も行ってまいります。E&G全日クラスの復活や、コミュニティラボの創設も視野に入れています。ハード・ソフト両面を通じて様々な課題を解決できる場を築き、エクステリア&ガーデンに本当の意味でのイノベーションを起こしていきたいと考えています。未来のエクステリアの在り方を皆さんと共に考え、創り上げていけることを心より楽しみにしております。
エクステリア・ガーデンの未来は、DXとAIでどう変わるのか?
さあ、いよいよ講演のスタートです。一つめのセミナーは「エクステリア・ガーデンの未来は、DXとAIでどう変わるのか?」と題し、小川 太樹 氏(つくばガーデン/オガ建設株式会社 代表取締役)と山中 康太 氏(山中育樹園株式会社)が登壇。現場目線でDXとAIの可能性を掘り下げました。
AIによる検索スタイルの変化


小川:近年、AIとDXは加速度的に進化し続けその波は様々な業界へと広がっています。エクステリア事業においてもAIの活用が進んでいます。従来、業者を探すにはGoogleなどの検索エンジンを用いて情報収集を行っていましたが、今では「対話型AI検索」へと移行しつつあります。たとえばPerplexityというAIサービスに「〇〇地域のエクステリア業者の特徴や概算費用を知りたい」と問いかければ、関連するレビューや要点を整理して提示してくれます。検索スタイルの変化により、ユーザーは必要な情報を得たうえで、初めて業者のサイトを訪問するという流れが定着し始めています。
さらに進化するAIエージェント

小川:AIの進化は、検索にとどまらず日常的なタスクにも広がっています。たとえば中国のスタートアップ企業が提供するアプリManusは、目標を伝えるだけでTo Doリストを自動作成してくれるAIエージェントを開発。将来的には、PC操作もAIが代行する時代が到来すると考えられています。
ヒューマノイドロボットの急成長により仕事が激変

小川:ノルウェーのNeo Gamma社では、AIを搭載したロボットが家事を代行しています。このロボットは皿洗いや食材のカット、食事の配膳などをこなすことができ家庭内のパートナーとして活躍しています。今後は屋外用ロボットの開発も進み、エクステリア業界における作業の自動化も期待されます。これに伴い、ロボットのレンタルやリースといったビジネスモデルも一般化していくことでしょう。さらに、AIはデスクワークの領域にも進出しています。各種ソフトウェア操作やデータ処理などの業務が、AIによって自動化される未来が目前に迫っています。今後5年以内には、AIが多くのタスクを人間に代わって完了させることが可能になると予測されています。
現場でのAI活用とDX推進


山中:現場調査・ヒアリング・提案において、AIを積極的に活用しています。AIの導入目的は、生産性の向上と提案力の強化にあります。現場調査では、Scaniverseを使った点群データによって、位置・高さ・距離などの測量を行っています。この方法では誤差がほとんど出ず、正確な計測が可能です。また、門扉のみの提案依頼があった場合は点群データをRIKCADに取り込み、門扉を合成することで提案の効率化が実現しています。
画像生成AIや3Dモデルを駆使して、オリジナルCAD部材の作成

山中:ビジュアル面でもDXが進んでいます。“RealityScan(EPIC)”を活用して、さまざまな角度の写真をもとに3Dモデルを作成しています。自作の3D樹木は現在では80本に到達しました。画像生成AIの“Midjourney”では、テクスチャ作成を行っています。Photoshopに搭載されたAI機能では人物などのビジュアルを生成します。
現場のシミュレーションはAR、現場管理は点群データを活用


山中:AR技術を用いて実際の現地にデザインを配置し、シミュレーションを行った上で工事に着手するという流れを構築しています。職人との設置イメージの共有もスムーズです。工事の進行状況を3Dスキャンで撮影してデータを送ってもらえば、事務所で状況確認が3Dで把握できるため、現場に行かずとも進捗を把握でき非常に効率的です。
セミナー相互質問
ファシリテーターのユニマットリック取締役・吉村公良、商品開発グループマネージャー・南龍平が登壇し、トークセッションを展開。

「お互いのセミナーを聞いての質問はありますか?」という質問に対して…小川氏は山中氏の現場でのDX活用が進んでいることに感銘を受け、DX化のきっかけを山中氏に尋ねました。山中氏は、iPhoneに搭載されたLiDARスキャナがきっかけだったと述べています。一方、山中氏は小川氏に「膨大なAIツールをどう運用していますか」と質問。小川氏はChatGPTをメインに使用しており、PerplexityやFeloなども併用しているとのこと。ChatGPTは使えば使うほど、より自分に寄り添ってくれるAIであると評価しました。
吉村:お互いのセミナーを聞いての質問はありますか?
小川:山中さんのDX活用が進んでいることに感銘を受けました。DX化のきっかけは何だったのですか?
山中:iPhoneに搭載されたLiDARスキャナがきっかけでした。小川さんにお伺いしたいのですが、膨大なAIツールをどう運用されていますか?
小川:ChatGPTをメインに、PerplexityやFeloなどを併用しています。ChatGPTは使えば使うほど、自分に寄り添ってくれるAIだと感じます。
AI・DX導入の第一歩
ユニマットリック南よりお二人への「これからAI・DXを始める人はどのツールから使い始めるべきか?」という質問に、小川氏は「まずは無料で使えるツールから試してみるのが良い。」と答えました。山中氏も「無料~数千円で始められるので、気軽に試してほしい。」と後押ししています。
小川氏の「ChatGPTをきちんと活用するだけでも、業務効率化の大きな可能性があります。のび太がドラえもんにどうにかして!と頼むのと同じくらいのノリで使えばいいと思います。のび太の心で!」というコメントに会場は笑いに包まれました。
南:これからAI・DXを始める人は、どのツールから使い始めるべきか?
小川:まずは無料で使えるツールから試してみるのが良い。
山中:無料~数千円で始められるので、気軽に試してほしい。
小川:ChatGPTをきちんと活用するだけでも、業務効率化の大きな可能性があります。のび太がドラえもんにどうにかして!と頼むのと同じくらいのノリで使えばいいと思います。のび太の心で!(会場は笑いに包まれました)
効率化による時間の再投資
ユニマットリック吉村の「業務効率化によって生まれた時間をどう活用するか?」という問いに小川氏は「AIは省力化・効率化のためのものであり、空いた時間で人間力を養うべきではないか。」と述べました。様々な場所に出向き遊びにいくこと、カルチャーを通じたインプット、コミュニケーション能力の向上が結果として顧客体験価値の向上にも繋がるとしています。
山中氏も同様に、「AIにはできないことがある。」と強調。「顧客に“この人にお願いしたい”と思わせるような設計者の魅力や経験(バックボーン)はAIには再現できません。だからこそ、AIによって得た時間を、自分自身の深みを増すために活用することが大切です。」と締めくくりました。
吉村:業務効率化によって生まれた時間をどう活用しますか?
小川:AIは省力化・効率化のためのものであり、空いた時間で人間力を養うべきではないでしょうか。様々な場所に出向き遊びに行くこと、カルチャーを通じたインプット、コミュニケーション能力の向上が、結果として顧客体験価値の向上にも繋がります。
山中:AIにはできないことがあります。顧客に「この人にお願いしたい」と思わせるような設計者の魅力や経験(バックボーン)はAIには再現できません。だからこそ、AIによって得た時間を、自分自身の深みを増すために活用することが大切です。
大盛況のうちに終わった一つめの講演。小川氏、山中氏が惜しげもなく開示してくれた情報を参加者たちはメモを取ったり、QRを読み込んだりと良い学びの場となったように見受けられました。
各企業ブースが注目の最新鋭技術やライフスタイルを提唱
広々としたホワイエでは14社が最新技術やライフスタイル提案をブース出展。参加者は各ブースを訪れ、最新情報に触れていました。
出展企業・団体:
Epic Games Japan (ビジュアライゼーションツール)
グラフィソフトジャパン株式会社(BIMソフトウェア)
株式会社ケイ・アイ・テック(建材メーカー向けシステム開発)
サイバースタイル株式会社(エクステリア業見積りシステム)
ソニーマーケティング株式会社(3D空間再現ディスプレイ)
日建学院(建設業界に特化した資格取得講座)
福井コンピュータアーキテクト株式会社(3D建築CADシステム)
株式会社マウスコンピューター(最新PCの実演、展示)
株式会社ユニマットライフ(OFFICE LOVOT)
レフィクシア株式会社(高精度点群スキャン)
一般社団法人犬と住まいる協会
一般社団法人ソーシャルグリーンデザイン協会
日本バーベキュー協会
株式会社ユニマットリック(RIKCAD、OPEN EX 、E&Gアカデミー)

















スタンプラリー企画も実施され、RIK SQUARE! 2025限定Tシャツやサコッシュなどのオリジナルグッズが先着で配布され、会場を盛り上げました。


本レポートは3回シリーズの第1弾です。次回は2つめの講演と懇親会の様子をお届けします。どうぞお楽しみに。
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