
RIKコンテスト2025受賞作品
概要
ユニマットリックでは2010年からRIKCADユーザーの皆さまの技術力、そして施主への提案力の向上を目的として「リックパースコンテスト」を開催してきました。さらに2023年には、顧客との商談スタイルの変化や、設計・提案ツールの進化にあわせて「RIKコンテスト」にアップデートしました。
今回の「RIKコンテスト2025」では「パースコンテスト」「プレゼンコンテスト」「動画コンテスト」の3つのカテゴリーで作品を募集し、おかげ様で今回も全国のRIKCAD ユーザーの皆様から数々の力作をご応募いただきました。お忙しい中、非常に多くのご応募を頂き、誠にありがとうございました。
二次審査までユニマットリック社内で審査し、その後審査員による最終審査を行いました。当作品集では二次審査通過作品(優秀作品)から各賞受賞作品まで掲載しております。
ぜひ、想いの詰まった個性豊かな作品の数々を、じっくりご覧いただき、今後の参考にしていただければ幸いです。
※ 今回はライティング大賞、ランドスケープ大賞、プレゼン大賞の該当作品はなしという結果となりました。
総合大賞 グランプリ
庭宴

【愛知】蒼凪の庭 冨安 俊貴
作品説明
自然に見える樹木の配置や、樹木の影の表現には特に注力させていただきました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
自然素材の質感や足元の細部に至るまで丁寧に描写され、しっとりとした空気感が感じられる表情豊かな完成度の高い作品です。床の映り込みや光の表現も品があり繊細です。プラン構成力・パース表現力共に優れた力量を感じ、作者の高い感性と技術力が伝わります。(松井 信)
パースコンテスト
ファサード大賞

趣味のファサード【山口】有限会社エクステリアの森 中村 達也
作品説明
車とバイクが趣味のクライアント様プランです。照明、反射の調節に注力しました。目立たないところですが塀や建物等の構造物はベベルをかけております。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、blender)
講評
施工済みの完成写真ではないかと思わせるナチュラル感とクオリティーの高さに驚かされます。磨きの石材の光沢感といい、コンクリートや壁に貼った石材のマット感の対比もよく表現されています。遠景、中景、近景で樹木の見せ方も工夫されているので遠近感がより強調された作品に仕上がっています。プラン自体もとても実用的で赤いバイクと広葉樹の赤が差し色としてとても効果的に使われています。(古橋 宜昌)
ガーデン大賞・RIKCAD特別賞

隣り合う自然【静岡】中部建商株式会社 高柳 奈々
作品説明
住宅と外部の境界を曖昧に感じるような、自然と暮らしが隣り合う表現を目指しました。縦長の構成が多い昨今のサイズ感に合わせ、縦の空間を意識して立体的になるようバランスを考えました。配色は抑え、陰影やシルエットにこだわりデザインしました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12)
講評
奥行きのスケール感や色合い・ボケ感が細部まで丁寧に作り込まれており、全体が美しくバランスよく構成されています。建築と自然が曖昧に絡み合い、柔らかな空間表現ができています。白の抜け感の使い方や影の表現も明るく上品で、洗練された印象の作品です。(松井 信)
和風大賞

黄昏【山口】有限会社エクステリアの森 中村 達也
作品説明
黄昏時の和庭を表現しました。こだわった部分はアングルの関係であまり見えないのですが断面形状ツールで作成した屋根です。ウッドデッキや平板はモルフに変換して、辺にベベルをかけデティールを作り込んでおります。また被写体深度や光源の設定にも注力しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、blender)
講評
写真かと見間違いそうなほどのディティールの表現が美しい。ガラスに映り込む外の風景と室内の家具や人物の細かな表現が違和感なく融合するさまもリアリティを感じます。そして2点透視図のお手本と言っても良い構図。人が美しと感じる黄金比が成立しているかと思います。情報量に対してのメリハリも素晴らしい。(富田 絵里香)
ファンタジー大賞

Nobody Tokyo【愛知】蒼凪の庭 冨安 俊貴
作品説明
人類が衰退してしまった東京をRIKCADを用いて作成してみました。高層ビルの作り込みや侵食する樹木の表現にこだわりました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
美しい世界を作るのがCADだという概念を払拭させられる作品です。朽ちていく高層ビル群のスケール感も圧巻ですが、リアルな古びた車の表現や信号機など見れば見るほど良く作り込まれていることに驚きを隠せません。人と街、植物の関わり方を考えさせられるとても意味深い作品だと思います。(古橋 宜昌)
優秀賞

RIKCAD特別賞
山奥のカフェで読書を【福岡】積水ハウス建設九州株式会社 西村 弥紗
作品説明
カフェでゆっくり読書をしながら休憩したり、ドライブスルーでドリンクを買って、景色を楽しみながら山道をドライブすることもできるような、山の中で緑に囲まれたカフェを作成してみました。店内のショーケースにはドーナツを数種類置いてみました。RIKCADのみで作成しております。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12)
講評
室内の絶妙な照明の明るさが、しっとりと落ち着いた雰囲気を創り出しています。室内の什器や照明の選び方、配置など全てシンプルにまとめられており緑に包まれた空間と良くマッチしております。丁度良い加減のガラスの反射により空間の広がりを上手く魅せてくれています。明暗差を見事に表現された作品です。(赤坂 泰一)

桜の御神木に守られた共同住宅【神奈川】空間構成研究室 市来 敬子
作品説明
中国の世界遺産、福建土楼のコミュニティ形式に興味があり、参考に制作していたのですが、いつの間にか異なる物になってしまいました。御神木に帰依する人々の共同住宅と解釈して頂ければと思います。添景に使用する画像の鮮明度にばらつきがあり、特に主役の桜の画素数が低かったので、それを目立たなくするために色々なフィルターをかけました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD11、Piranesi、Paintgraphic)
講評
柔らかく淡い画に引き込まれます。福建土楼(客家土楼)の写真などを見たことがありますが、全く異なった欧風ぽいパティオとなっておもしろいです。パティオを囲む壁・階段・絡まる植物が致密に描かれ作成者の思い入れが感じられます。もっと御神木の桜の幹が太く描かれていれば、御神木感が増したのではないかと思います。(赤坂 泰一)

木洩れ陽のリトリート【愛知】蒼凪の庭 冨安 俊貴
作品説明
リトリートとは、「数日の間、日常から離れた環境に身を置き、普段と違った体験を楽しむこと」を意味します。その意味する通り「都会の暮らしを忘れ、癒しのひとときを愉しむ空間」をコンセプトに制作にあたりました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion、Photoshop)
講評
影が主役のような大胆な構図にとても驚き、感性の豊かさを感じます。この難しい構図を成立させる苦労も多かったのではと推測もします。木漏れ日、朝霧、流れる滝。それらの素晴らしい表現力によって目には見えずとも鳥の声、水の音、浄化された空気をまとっているかのように感じるパース。癒されました。(富田 絵里香)

オーバー60賞
Sky Garden【山口】メグファクトリー 松田 幸次
作品説明
高層ビルの上にある屋上庭園から、周辺の高層ビル群を見渡すイメージで描いています。制作に際しては、プールの水の透明感や水面の反射のほか、螺旋状の階段やドーム型のテラス、後方建物1階の柱上部の細工などに工夫を加えています。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD10、Twinmotion)
講評
屋上にインフィニティプールがあるゴージャスな施設をとても丁寧に仕上げた作品となっています。浮遊感のある螺旋階段や半円のドーム、窓の格子など造形物の作り込みや、プールの水面のゆらぎや透明感もよく作られています。遠くの景色である高層ビル群は空気遠近法的な処理をされていてこの場の雰囲気を一層魅力的なものにしています。このアングルでの夜のイメージもきっと美しいものになるのではと思います。(古橋 宜昌)

RIKCAD特別賞
くつろぎ【静岡】中部建商株式会社 福本 登夢
作品説明
家の中から見る夜のテラス昼とは打って変わって雰囲気ある照明に包まれ、ゆったりとしたひとときを表現したく作成しました。照明の光が水面に揺らぎながら照らされているところは特に微調整を重ねて作成しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12)
講評
背景や庭のテラス、室内の光の表現がバランスよく、しっとりとした美しい夜景を描いた作品です。水面の光の映り込みや揺らぎ、室内の透け感といった描写が、作品全体の透明感と繊細さに繋がっています。夜にこのテラスで寛ぐ情景が目に浮かぶようなリアリティを感じさせます。(松井 信)

照紅葉【山口】有限会社エクステリアの森 三好 俊典
作品説明
色鮮やかな紅葉、渓谷の清流、月明かりが合わさった日本ならではの風景をイメージしました。水の音を聞きながら夜歩きしたくなるよう奥行き感を意識しつつ、あえて高低差をつけてます。赤い橋はRIKCADで作ったのですが何故かDatasmithに変換途中で落ちるので、パーツを分けて変換してTwinmotionで組み立てました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
紅葉が美しい川沿いの夜のシーンです。特に奇をてらったデザインなどはありませんが、どこにでもありそうな風景を独特のアングルとライトアップされた広葉樹のドラマチックな構図で演出されています。水面に映る満月の光や階段周りの行燈が幻想的で作品の中に引き込まれるような錯覚に陥ります。橋上の人のシルエットや番傘もフォーカルポイントとしてとても効果的に使われています。(古橋 宜昌)

夏の夜の夢【静岡】ハマニグリーンパーク有限会社 尾上 安寿佳
作品説明
最初は昼間をイメージして作っていましたが、作ってる途中で照明が灯ったらどんな雰囲気になるかなと興味が沸いて、ツインモーションの練習を兼ねて夜バージョンにも挑戦してみました。とにかく幻想的な空間演出をしたくて、照明が暗くなりすぎないよう、明るくなりすぎないよう、全体の明るさのバランスを見ながら、一つ一つ微調整を繰り返して仕上げました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
「挑戦してみたい」という動機が素晴らしい。照明計画が成されていて単に雰囲気でよく見えているのではないことが伝わります。光の効果を丁寧に追求され、床面への写り込み・奥の空間の天井面の明るさの表現も奥行き感ある演出に功を奏していると思います。美しさに整合性を感じる素晴らしい作品です。(菊原 啓子)

柔らかな昼下がり【福岡】株式会社久留米庭苑 古賀 裕美
作品説明
陰影を意識しつつまとまりを感じる落ち着いた風景を目指して作成しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
どこにでもありそうな民家の庭の風景です。暗い室内から明るい庭を眺めているのでやや暗めの仕上がりですが、逆に庭の素朴な明るさを感じることが出来ます。主人公の猫ちゃんはぼんやりと庭の眺めているのか、獲物を狙っているのが想像を駆り立てられる面白い作品です。(古橋 宜昌)

雨あがりのピンク【徳島】積水ハウス株式会社 井村 裕美
作品説明
雨あがり。中庭から見えるのは鮮やかなピンク色の桜。ウッドデッキの濡れた質感、淡い空の色に桜のピンクが映えるように作成しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD11、RIKプレゼン、Twinmotion、Photoshop)
講評
チラリと垣間見えるピンクの色彩の存在を画角のメインの視線の先に据えるなどオリジナリティを感じる構成だと感じます。雨上がりという質感や空気感を追求される中で桜の印象・色彩が存在感と魅力を醸し出している作品。緩急ある作り込みも見る側の視点を意図的に誘導していると感じました。(菊原 啓子)

千差万別【大阪】上園緑地建設株式会社 山本 早織
作品説明
今回は「自分の癒しの時間」をテーマにした心の部屋を作りました。屋外で過ごすことが癒しだと感じる人が何人かいたとしてもベンチで過ごすのが好きな人がいれば、スポーツが癒しの人もいます。 人それぞれ少しずつでも違うことを色で表現しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
色のグラデーションとキューブの組み合わせによる空間表現が、視覚的な楽しさを生み出しています。その中に各ユニットごとにテーマがあり、遊び心だけでなく暮らしの多様性を提案する深みも感じられます。スケール感や配置も丁寧につくられており、見る人に発見と楽しさを感じさせる魅力的な作品です。(松井 信)

The Butterfly Garden【福井】スリービー工業株式会社 西川 美希
作品説明
本型の大きなディスプレイには、ちゃんと物語が描かれています。ガラスの階段の続きが気になるように、階段の先とその下に扉をつけて、続きを想像してもらえるようにしてみました。カーテンをつけることで、柔らかい印象に仕上げることができました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
見れば見るほど不思議な国に迷い込んでいくようなような感覚を覚えます。辻褄の合わないトリック性がリアルなのか?夢なのか?と癖になりそうな心地のよい違和感を与えてくれるこの発想力に脱帽です。ガラスの階段の表現力、パースとして重要な奥行き感の表現などテクニックも素晴らしく美しく仕上がっています。(富田 絵里香)
奨励賞

翠影庭【愛知】蒼凪の庭 冨安 俊貴
作品説明
翠影庭(すいえいてい)という名前の通り、木々の陰影が美しく表現できるよう建物や外構の素材にも注力して制作した現場になります。「自然に溶け込む暮らし」をコンセプトに作成させていただきました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
木々の足元にまで配慮が行き届いた豊かな表現や、空気感を彩る陰影の描写など、空間全体を通して森の佇まいを見事に表現した作者の高い表現力が感じられます。制作過程における技術の高さはもちろん、完成形を明確にイメージできているからこそ生まれた完成度の高い作品だと思います。(松井 信)

水辺の休日【山口】メグファクトリー 松田 幸次
作品説明
休日に出かけた場所に川や海などの水辺があると落ち着いた気分になります。そのような風景を描いてみました。制作に際しては、円形建物の中を見せたいため、敢えて窓の反射を抑えて室内をクリアに見せています。また、川の水面については、程よい透明感の表現が難しく、何度も修正しながら完成させました。さらに、円形建物内の照明や橋のデザインなどに拘って制作しています。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD10、Twinmotion)
講評
なんとも面白いフォルムの建物がファンタジーな世界へと誘う光景です。とても細かく描かれた室内の様子に拘りを感じます。賑わいを演出するため人物を入れたりしがちですが、自転車2台だけを置き無人の空間でありながら、建物と妙にマッチしているように感じさせてくれます。画全体にフィルターを掛けか霞ませている演出も上手です。(赤坂 泰一)

緑あふれる医療施設【愛知】積水ハウス株式会社 安藤 康大
作品説明
患者さんが緑の癒し効果を得られるよう施設内に多くの植栽を配置しました。フラットな建物にRの杉板擁壁の塀を手前に置くことにより植栽との調和と、和かい雰囲気を出せるよう配慮しています。陰影の強調することにより印象的なイメージに仕上げました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD11、Piranesi)
講評
建築の見せ方や全体のコントラストを巧みに構成しながら、メインの印象として据えられた植栽の美しさ・存在感の表現が狙い通りに表現されていると感じます。クオリテイの高さは空といった背景や周辺環境の作り込みにも感じられます。色彩感覚もとても豊かな素晴らしい作品です。(菊原 啓子)

石の園路【兵庫】山中育樹園株式会社 山中 康太
作品説明
緑に包まれた、石貼の園路をイメージして作りました。足元の自然石は大小、スラブで一つ一つ作成し、アクセントの板石も、古石をイメージして作りたかったので、人工的に見えすぎないようにガタガタした縁取りで描いています。植栽も自然に見えるように配植を組み換え、樹木の3dモデルをを一から作成したものをもあります。奥の方は少しぼやけるように見せ、漫然としないように遠近感で見せられるように工夫しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion、blender)
講評
近年パースに求められる空気感の表現や陽の光の色を存分に味わうことができる「ここちのよさ」を感じる作品です。『空気遠近法*』を用いた遠近感ある表現が素晴らしい。視点の高さの設定も絶妙で現実的でありながら美しくも不思議な世界へ誘われます。*大気の特性を利用した遠近感を表現する技法(菊原 啓子)

緑に包まれたレンガの小道【兵庫】山中育樹園株式会社 山中 康太
作品説明
毎日の暮らしの中で、緑に包まれたレンガの小道を抜けることは、家主の昔から思い描いてきた夢でした。不整形に敷かれたレンガに、溢れんばかりの植物たちが覆いかぶさり、季節ごとに様々な種類の花々が咲き、家主のことを癒やしてくれる…そんな小径をイメージして作りました。多種多様の宿根草が植栽から数年後、力強く混じり合う美しさを感じていただけるよう、一つ一つの植物の配置を入念に考えて作りました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion、Photoshop)
講評
連続するアーチと縦格子柵が奥行を感じさせる構図がとても安定感を与えてくれる作品です。綺麗に手入れされた草花や建物の塗仕上げの外壁とビンテージレンガの園路の質感の表現が秀逸です。逆光のパースを描く時、レンズのゴーストを入れがちですが、太陽の光芒だけを入れてシンプルに描いている所にも好感を持ちます。(赤坂 泰一)

丸窓から臨む景色【静岡】ハマニグリーンパーク有限会社 尾上 安寿佳
作品説明
昼下がり、丸窓から陽が差し込む和室で、庭の景色をお供にリモートワーク。奥行感を出す為に、敷地を台形にして庭の見える範囲が広がるようにしました。また、視線が自然と窓の外に向くように、室内を敢えて暗めに調整しました。室内を暗くすると、見せたいはずの庭が明るくなりすぎて見え難くなってしまったので、その明暗の調整に苦労しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
明暗の調整に苦労されたようですが、見せたい庭の景色に視線を直感的向かせつつ、室内の様子もしっかりと伝わる細かな表現が良くできていると思います。そして差し込む陽の光、テーブルの上にある読みかけの雑誌などによって住まい手の生活の合間を覗いているかのような時の流れのある物語性を感じました。(富田 絵里香)

朝のガーデンルーム【兵庫】株式会社ウエシン 和田 麻紀子
作品説明
屋外でありながらリビングでもあるガーデンルーム。天気のいい朝は扉を全開にして観葉植物に光を取り入れます。爽やかな感じ、透明感のある空間を表現したくて、露出やレンズフレアの設定に納得いくまでエクスポートを繰り返しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
朝の爽やかな光。近景のセロームによって遠近感が強調されていて、そう広くない空間でもボリューム感のある迫力が生まれています。観葉植物の葉の形やツヤ感、微妙な色の違い、樹高バランスなどの表現や配植も上手いです。ファニチャーや床材とのカラーコーディネートも品良くセンスの良さを感じます。(富田 絵里香)

キャンティー夜【静岡】中部建商株式会社 佐野 貴亮
作品説明
極限までノイズを除去し水平ラインが美しく広く見える効果を出した。高低差処理の手法として階段にはキャンティを採用。角のあるハードな素材が多い中要所に植栽や景石などの自然素材で表情が出るようにした。落葉樹をメインに枝が落とす影や木々のそよぎを楽しめるように山採りの華奢な樹木を採用した。ライティングには間接照明を中心に陰影を演出し昼の顔と夜の顔との二面性を意識してノスタルジーな印象にした。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12)
講評
高低差のある敷地に建つ豪邸のファサードの作品です。玄関までのアプローチはクランク状にすることで長さのあるアプローチを演出し、浮遊感のある階段が水平ラインを強調しています。一方、垂直面の壁は凹凸感のある自然石により仕上げられていて光による陰影によりその存在感を際立たせています。この作品は建物と連動した直線的な水平ラインと不定形な自然石や美しい樹形の高木、光と影で美しくまとめらている点が素晴らしいと思います。(古橋 宜昌)

隠れ家テラスで湖を臨む【神奈川】株式会社ワイドアルミ 四元 摩野
作品説明
静かな湖畔に佇む秘密の場所。ウッドデッキのバーカウンターで、穏やかな水面を眺めながらお酒を楽しんだり、ファイヤーピットを囲んで、心ほどけるひとときに身をゆだねる。忙しい日常と喧噪からはなれて、贅沢で特別な時間をゆっくり過ごせる、そんなテラスをイメージしました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD10、Photoshop)
講評
こんな隠れ家的テラスがあったらどんなに楽しい時間が過ごせるだろうかと思わせる作品です。薄暗いテラス内から見える外の景色には湖と遠くの山並みが見え、それを眺めながらお酒が飲めるカウンター、そして手前には揺らぐ火を囲ってお茶ができるスペースと、どれもとても丁寧に作り込まれています。(古橋 宜昌)

庭を望む【徳島】積水ハウス株式会社 井村 裕美
作品説明
現状の庭をそのままに、建替えの計画。植栽と和の土塀が太陽に照らされて美しく見えるように作成しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD11、RIKプレゼン、Twinmotion、Photoshop)
講評
マテリアルの質感や全体の配色・陰影のバランスが全体に統一され、繊細で品のある心地よい空間表現となっています。外部からの光の入り方も絶妙で、庭とインテリアが互いに引き立て合い、視点によって主役が変わるような、表情豊かな作品に仕上がっています。(松井 信)

睡蓮の庭【和歌山】garden&exterior Kokia 高澤 章子
作品説明
モネの睡蓮にインスパイアを受けて、睡蓮の咲く和庭を表現しました。山深いお寺の庭に朝日が射し、池の睡蓮が生き生きと咲き始めます。光の射し方、明暗を表現するのに苦労しましたが、睡蓮を引き立たせる神秘的な空気感を表現できたと思います。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD11、Twinmotion)
講評
梅雨の時期の貴重な清々しい晴れた朝を思わせる美しい情景ですね。湧水を感じさせる澄んだ水面の揺らぎ、苔むした石の表現や配置バランスに苦労したのではないでしょうか。石の重さと硬さに対し植物や光といった柔らかさのバランスが良く。紫陽花の青がアクセントになり構図にまとまりが生まれています。(富田 絵里香)

新人賞
ヨル【大阪】セキスイファミエス近畿 鳥井 そよ香
作品説明
建築と植物と光の間を抜けていける心地のいいヨル。Twinmotionを使うのも、夜パースを作るのも初めてだったので、とても大変でした。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD11、Twinmotion)
講評
創り込まれたデザインプランに、デザイナーの溢れ出るエネルギーを感じます。屋根の抜けや傾きによって、個々の領域を確保しつつも一体感のある空間にするテクニックが素晴らしい。構造物や植物を光によって効果的に演出しつつも、安全性をしっかりと考慮した機能をデザインする点も好感が持てました。(富田 絵里香)

坪庭【三重】積水ハウス建設中部株式会社 笠井 実映
作品説明
リビングから廊下や2階階段へ向かう際に目に入る坪庭。FIX窓を額縁にみたてて、毎日通るであろうスペースの窓越しに見える景色が心地良く爽やかな空間に仕上がるように、樹木や自然石の合間から生える地被類もさらっとしたものを選び、さし込む光の加減も調節しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD11、RIKプレゼン、Twinmotion)
講評
とてもシンプルな構図ですが、作者のCAD作成能力の高さを感じさせます。実際の景としては室内と坪庭とでは大きな明暗差があり坪庭ばかりが目立つ景となるところをCADの利点を生かし室内と坪庭の明るさをコントロールし「人間の目で見たい景」を作り上げたところがとても良いと思います。(赤坂 泰一)

テクニック賞
四季を感じる庭【静岡】株式会社八ヶ代造園 吉田 悦也
作品説明
最近、昔ながらと言われる滝組・石積や垣根・延べ段と言った造園工事が少なくなってきましたので、私の若い頃に思い描いていました日本庭園をパースで表現しました。渡り廊下から眺めるアングルとし、固いイメージの石組や石積を柔らかくする為に、色とりどりの雑木を配置し夜パースでも四季を感じる日本庭園を作図しました。渡り廊下の欄間や梁模様を評価していただけましたら大変嬉しいです。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD11、RIKプレゼン)
講評
さまざまな要素が散りばめられた立体的な庭を、複雑になりすぎることなく華やかに演出しています。手前の渡り廊下の欄間などの作り込みを見せる構図により、庭の存在感が際立っています。彩りのある植栽の配色も全体のまとまりに一役買っています。庭への想いが伝わる密度の高い作品です。(松井 信)

心地よい空間に佇む和風の庭【鳥取】株式会社GLD-LAB. 笠木 理沙
作品説明
和風庭園を眺める露天付き温泉宿の庭を作成しました。こちらは実際の施工案件になります。ポイントはこの空間での過ごし方をより豊かに想像できるパースになるよう意識した点です。ルーバーから差し込む柔らかな光、開放感を感じる吹き抜ける風、お風呂から眺める和風の庭園。ここで過ごすお客様に癒しの空間を提供するイメージが湧くよう作成しました。細部まで調整し、空間全体に奥行きと豊かな表現を目指しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD11、Twinmotion、Photoshop)
講評
実案件とのこと、空間提案はプラン提出にパース・動画といったビジュアルの表現がマストとなっています。実施工が伴う難しさとしてパースだけの美しさの追求でないこと、完成した空間との齟齬が生じない様との配慮がある中で空間の魅力的を存分に表現するクオリィティと意識の高さを感じる作品です。(菊原 啓子)

テクニック賞
雨の日の記憶【兵庫】株式会社Bee Green Garden 二子 美紀
作品説明
ネオン管を光っているように見せるのに苦労しました。雨粒も大きさを変え、遠近感が出るよう意識しました。ノスタルジックな雰囲気を意識して作成しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12)
講評
ネオン管だけでなくビルのサイン灯からもノスタルジックな印象を感じることができました。人工照明の光の質や色、照明器具自体そして据えられる高さなどから時代背景を連想します。そして雨といった天候。各々のノスタルジックに誘う「扉」の様な作品だと感じました。(菊原 啓子)

月夜に照らされる城【福岡】有限会社シンセイ産業 久野 倫果
作品説明
海と霧が生む神秘的な雰囲気を作り出しました。幻想と現実の狭間にある時間の流れを感じさせ、物語の幕開けを感じさせるような印象を与える様に作成しました。アングルや遠近感を出すように工夫しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
モノトーンで描かれ幽玄な雰囲気を醸し出し、館に続く橋が構図的ににも素晴らしく奥行きを演出しております。館を見上げる人が何を想い、どんな行動をとろうとしているのかなどと、色々と妄想を掻き立てる画となっております。月あかり、橋の常夜灯、館の窓のあかりの表現がとても素晴らしいです。(赤坂 泰一)
その他
新人賞

Pale Garden積水ハウス株式会社
山田 さゆり【神奈川】
テクニック賞

Company有限会社エクステリアの森
中村 達也【山口】
優秀作品(二次審査通過)

渓谷を臨む
積水ハウス建設中部株式会社
猿渡 美香【愛知】

朝日に瀬々らぐ流水の音色
積水ハウス建設九州株式会社
村田 香奈愛【福岡】

庭を望む
積水ハウス株式会社
井村 裕美【徳島】

湾を望む
積水ハウス株式会社
川合 亜沙美【三重】

庭を望む
積水ハウス株式会社
井村 裕美【徳島】

陽だまり
上園緑地建設株式会社
山本 早織【大阪】

かざぐるま
スリービー工業株式会社
西川 美希【福井】

暗闇を照らす
株式会社久留米庭苑
北川 めい【福岡】

重厚感とモダンの調和
積水ハウス株式会社
安藤 康大【愛知】

和み
株式会社庭雅
冨永 圭亮【京都】

鎌倉の雨上がりの木漏れ日
株式会社岩崎造園
岸本 幸子【神奈川】

四季を感じる緑豊かなガーデン
スペースガーデニング株式会社
唐澤 みどり【千葉】

週末の早朝
and eni
樫澤 小夏【静岡】

雪の中の灯り
株式会社庭雅
冨永 圭亮【京都】

雨上がりの夜の街
ハマニグリーンパーク有限会社
尾上 安寿佳【静岡】

鮎釣隧道
and eni
樫澤 小夏【静岡】

海の世界を知った日
株式会社グリーン開発
熊谷 有記【宮城】

ヒミツキチ
株式会社ボックスウッド
岸田 咲来【千葉】
プレゼンコンテスト
※ プレゼンコンテストの作品は、サムネールクリックしていただくとPDFで作品のすべてのページをご覧いただけます。優秀賞

共に在る暮らし【静岡】中部建商株式会社 高柳 奈々
作品説明
自然豊かな土地に居を構えるにあたり、その土地の特性や暮らしの在り方にテーマを置きどのように共生していくかをエクステリアを通して表現しました。目的を明確としすぎないことで、暮らしの自由度を感じられるよう心掛けました。どことなく居心地が良い空間、入り込みたくなるような外部環境を整えて居住者自らが積極的に外部空間と関わろうとするキッカケが生まれればと思いました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12)
講評
エクステリアプランの具体的な内容や仕様など図面としての情報量は必要最小限に「引き算」を意識したプレゼンは、本当に伝えたいメッセージが純粋に施主の心に響くものになっていると感じました。言葉少なめに、余白を活かし、美しく的確なパースで静かに語ることで、自然と共に暮らすというテーマにマッチしたプレゼンになっています。施主が求めるライフスタイルを理解し共感を込めたプレゼンは、施主の信頼を得るためのファーストプレゼンテーションの手法として高く評価させていただきました。(福元 敬子)
優秀賞

hatazao【静岡】中部建商株式会社 佐野 貴亮
作品説明
このプランは中庭を設けて人の溜まりとアプローチを兼ねて隣家との距離を考慮したプライバシー確保の工夫をしたことで日当たりや風通しの問題を解消しました。中庭からの光を享受できるため明るく広々とした空間を実現できます。隣家や通りからの視線を気にせず自由に過ごせるプライベートな庭を作りました。南側の部屋から自然光をたっぷり取り入れることができ室内にいながら自然の美しさを楽しむことができます。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12)
講評
余白を上手く残しながらのレイアウトやパースアングルはプレゼンスキルの高さを感じさせ、アプローチと中庭周辺を取り込むことで質の高い外部住空間を実現したデザイン力が相乗効果を産み出した作品といえます。濃い青や白の雲による空の躍動感のある表現はインパクトがあり、印象的です。(藤山 宏)
優秀賞

水平美が映えるブルックリンスタイル。【宮崎】株式会社サンホーム 土生 敦子
作品説明
秋めく紅葉の美しさに映える落ち着いたブルックリンスタイル。住宅の水平デザインに合わせて、エクステリアも水平デザインを意識しました。インダストリアルな雰囲気と植栽、アンティーク調のレンガが大人の雰囲気を演出しつつ、落ち着いた雰囲気を壊さないように、仕上げ方も全体的に色味を抑えて、柔らかく落ち着いた秋の午後をイメージして作りました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
美しいパースでインパクトのあるファーストページから始まり、スムーズな流れで図面とパースを見せることで興味を惹きつけるプレゼンに仕上がっています。間延びしがちな4台駐車のエクステリアデザインは、3つの設計ポイントからセンス良くデザインされています。2ページ、3ページの文字サイズや余白を調整することで、より洗練された印象のプレゼンになります。「秋」という季節を生かしたプレゼンにも心惹かれました。夕方のライティングシーンにすることで、柔らかく温かみのある色調でノスタルジックな秋の夕暮れの雰囲気を表現されています。(福元 敬子)
奨励賞

あしどりかるく【静岡】中部建商株式会社 奥山 晃代
作品説明
自然豊かなこの地域は、気候は多少冬の厳しさはあるものの、比較的夏は涼しい土地柄です。敷地は閑静な住宅地で、まだ畑や空き地がちらほらとのこります。背後の川の土手には桜並木が続き、季節ごとに素敵な姿を見せてくれます。川のそのまた向こうには昔から住民から親しまれ、地域を見守っているような山々が構えています。全体的に白を基調とし、植栽はコニファー類を多めに、上品な感じになるよう心掛けました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、RIKプレゼン)
講評
全体レイアウトは余白を上手く使ってすっきりした感じで纏められ、白と青を基調とした色調も凛とした爽やかさに繋がっています。各ゾーンでの視点の高さ含めた断面は効果的で高低差を楽しむという空間構成が分かり易いです。フォントや文字数もバランスよく纏められ、モノクロ俯瞰図も効果的です。(藤山 宏)
奨励賞

傾斜に沿う家。【宮崎】株式会社サンホーム 土生 敦子
作品説明
階段の段数も多く、デザインも難しい高低差のある土地だからこそ、傾斜地という地形を楽しめる外構を作りたいという想いをコンセプトに設計しました。「傾斜地に沿う家」というコンセプトが伝わるように、立面図では敷地内の高低差が分かるようにし、パース図においても道路の傾斜が分かるような構図も配置しました。どんな土地でも外構のデザイン次第で心地よい空間に変えることができると改めて気づけた作品作りとなりました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion)
講評
変形敷地で道路勾配も7~8%あり、超難易度の高い現場を上手く納められています。特徴のある建物に対して車庫やルーフの水平ラインやカラースキームは優れたプレゼン効果に繋がっています。敷地断面と立面パースの組み合わせは空間部位を分かり易く、心地よい空間提供への作者の想いが伝わってきます。(藤山 宏)
奨励賞

多彩な趣味を紡ぐ邸宅【石川】積水ハウス建設上信越株式会社 表谷 興
作品説明
お庭の空間を6つのエリアに分け、それぞれの楽しみ方ができるゾーニングとしております。敷地をぐるりと囲む植栽帯を境界際に設けることで、森を形成し、それぞれのエリアを分断させず、緑に包まれたリゾート地を思わせる空間としました。日常の中の贅沢な時間をお楽しみください。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD11、RIKプレゼン)
講評
それぞれの楽しみ方を満喫できる6つのガーデンを備えた夢のような邸宅。各ガーデンはコンセプトに沿った迫力あるパースで表現され、印象的なプレゼンに仕上がっています。1ページ目から迫力あるパースが続くため、5ページ目はシンプルに平面図を配置することで、視線の流れを整え、構成にメリハリを持たせます。各ページレイアウトについて、少し単調に感じられるため、プレゼン全体に統一感を持たせつつ、ページごとに適度な変化を加えることで、より洗練された印象となり「贅沢で優雅な時間を楽しむ」というテーマをより視覚的に伝えられます。(福元 敬子)
優秀作品(二次審査通過)
動画コンテスト
動画大賞

秋の彩【山口】有限会社エクステリアの森 三好 俊典
作品説明
住宅街にいながらも四季折々の風景を楽しめ、周囲の視線を気にせずくつろげるプライベート空間。時間の経過とともに表現を変える邸宅、そしてそこで過ごす人々の日常です。カメラの移動速度と車の動きのタイミングがなかなか合わず苦労しました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion、DaVinci Resolve)
講評
四季の移ろいを感じられる空間は、エクステリア・ガーデンの大きな魅力のひとつです。本作は、そうした魅力を静止画では表現しきれない部分まで、動画ならではの表現力で見事に伝えています。緻密に構成されたカットの連なり、風や水の自然な動き、臨場感を高める効果音など、どれをとっても高い完成度。画面に引き込まれるような没入感があり、まるでその場にいるかのような感覚を覚えます。序盤のメッセージは、映像の邪魔にならないよう文字サイズや色に工夫が見られましたが、かえって視線が文字に向いてしまい、映像への没入感がやや薄れる場面もありました。短く明快に伝える工夫があれば、より完成度が高まったことでしょう。それでも、細部まで丁寧に仕上げられた本作は、プレゼン動画の手本として多くの方にとって大いに参考になる、まさに大賞にふさわしい素晴らしい作品です。(吉村 公良)
優秀賞

花の円環【山口】有限会社エクステリアの森 三好 俊典
作品説明
花と円をテーマにした世界観、そして扉をくぐり抜けるたびに変わっていく景色。ゆっくりと時間が過ぎていくような情景をイメージしました。最後に出てくる建物の白い柱はRIKCADで作ったのですが、こちらも変換途中で落ちるのでTwinmotionで組み立てました。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion、DaVinci Resolve)
講評
前半から中盤にかけては、水やガラス、花、そして光や風などを巧みに表現し、圧倒的な技術力の高さを感じさせる情景が展開されます。そして後半では一転、ファンタジックな“三好ワールド”が広がり、唯一無二の世界観で楽しませてくれます。タイトルである「花の円環」が作品全体のテーマになっていると感じられる一方で、予想外の展開に脳内が追いつかないほどの驚きもありました。次回作では、その大胆な構成に加えて、最後に伏線が回収されるようなストーリー展開にも期待しています。技術と発想の両面で楽しませてくれる、印象的な作品でした。(坪井 直也)
優秀賞

癒しの湯【東京】新町 尚子
作品説明
「癒しの湯に浸かりたい」様々な温泉の景色を巡るストーリー。ひたすらに癒しを求め制作に励みました。自作HDRデータを活用したり、動画編集ソフトで光の調整などをして演出しております。音楽とともに映像から想起される皆様の好みの温泉は、どんな景色でしょうか?苦労した点は、ちらつき・謎の光や陰にどう対処するかでした。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion、After Effects)
講評
ご本人の「ひたすらに癒しを求め制作に励みました」という言葉通り、映像表現はもちろん、タイトルの処理、BGMや効果音に至るまで、「癒し」を徹底して追求した作品に仕上がっています。ラグジュアリーな温泉から秘湯へと移り変わる展開には「この先どうなるのか?」とドキドキさせられましたが、最後にまた穏やかな温泉に戻り、思わずホッとさせられました。高い技術力はもちろん、一つのテーマからこれだけ豊かに広がる構成力と想像力に感服です。観る人の心をほぐしてくれる、まさに優秀賞にふさわしい作品です。(吉村 公良)
奨励賞・テクニック賞

Good luck【東京】新町 尚子
作品説明
どの業界にも競合コンペ案件が多いですが日々切磋琢磨している中で、苦境でも希望を持って頑張り「より遠くの目標」「輝かしい未来」に向かって疾走するストーリーを制作しました。当事者だけでなく周りも同じ気持ちで見守っていたりします。そんな一幕を描きました。映像から滲み出る心情を描くことに重点を置き制作。東京の景色をHDRデータにして演出。苦労した点はFBXデータを更にアニメーターに乗せて動かすところです。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD12、Twinmotion、After Effects)
講評
本大会で最大のインパクトを与えた、衝撃の作品です! エクステリアを紹介するプレゼン動画ではなく、「エクステリアをプレゼンする“人”」を主役に据えた構成に、RIKスタッフをはじめ審査員一同も驚かされました。2分間の中に詰め込まれたストーリー、小道具、アニメーション、演出のすべてが高い完成度で、一瞬たりとも目が離せない魅力にあふれています。「エクステリア&ガーデン提案の可能性を広げる」というコンテストの趣旨とは一線を画すアプローチではありましたが、それでも「そんなの関係ない!」と思わせるだけの力強さと説得力がありました。新しい表現に挑戦し続ける姿勢に、大きな期待を込めて贈る賞です。今後のさらなる飛躍を楽しみにしています!(坪井 直也)
奨励賞

Nature's Retreat【Singapore】Carasig CJ
作品説明
A modern Japanese home in nature, with a lush garden, serene stream, and interactive landscape. The design fosters harmony between architecture and nature, offering a peaceful, sensory retreat.(「自然の隠れ家」 自然の中に佇む現代的な日本の住まい。青々とした庭、穏やかな小川、そして触れて楽しめる景観が広がります。建築と自然の調和を大切にしたデザインが、心と感覚を癒す静かな隠れ家を演出します。)(使用ソフト・アプリ:RIKCAD10、Twinmotion)
講評
本作は、海外から寄せられた応募作品です。雨上がりの庭に広がる晴れやかな風景の中で、植物や小さな生き物たちがいきいきと息づき、その様子を眺める住まい手の心までも晴れやかになっていくのが伝わってきます。やがて日が落ち、庭に静けさが戻るにつれて、住まう人の心にも穏やかな落ち着きが訪れる…、そんな一日の移ろいが丁寧に描かれています。庭という空間が、暮らしや心にどれほど深い影響を与えてくれるのか。そのメッセージと魅力が静かに、しかし力強く伝わってくる、印象的な作品です。(吉村 公良)
奨励賞

Life Style【岡山】株式会社清光園 河手 弘誠
作品説明
趣味を楽しめるような外構をデザインして、編集では音ハメ・映像の切り替わりにこだわり、昼と夜の違いも楽しめるかなと思います。(使用ソフト・アプリ:RIKCAD11、Twinmotion、Premiere Pro)
講評
BGMのリズムや展開にぴったりとシンクロした多彩なシーンやカットは、映像センスの高さを強く印象づける仕上がりです。ダイナミックな演出を意識されているからこそ、シーンが次々と切り替わっていきますが、そのぶんプランの全体像をじっくり見たい視聴者にとっては、やや把握しづらく感じる場面もあるかもしれません。それでも、プロモーションビデオのような洗練された完成度には脱帽です。(坪井 直也)