お客様とのやり取りに使える、相手をのせて誘導する「モノの言い方」

世の中には特別じゃないけど“なんとなく”感じのいい人がいます。“なんとなく”感じがいいから、接客や打ち合わせの場でこっちも気張らなくていいので、本音で話したり、いい気分に乗せられて話したりしているうちに距離が縮まってあれよ、あれよとお買い上げや追加オーダーしちゃってた、なんてことも。“なんとなく”感じのいい人の特徴ってなんだ?と考えてみました。ずっと笑顔だから?清潔感があるから?身のこなしがスマートだから?もちろんそれらの要素もあるでしょうが、気付いたのは「一言、一言の言い方」です。なんというか、丁寧なだけではなく「うまい言い回し」だったりあいづちのタイミングが絶妙だったり…。言葉遣いや言い回しのタイミングって訓練しないと身につかないそうなので、早速意識的に使える「言い回し」を集めてみました。今回は「相手をのせて誘導する」フレーズ編です。

◆相手の自慢に効くあいづち
人は自分の話をする時、そこはかとなく自慢を織り交ぜるタイプと「ドヤ感」満載で自慢を出してくるタイプと様々な人がいます。もちろん自慢のつもりはなくても、他者から聞くと「これって自慢なのかな?」と思う場面も。

・それは何よりです
相手の身内の自慢話に使いたいあいづち。

・うらやましいですねえ
人は自慢話をする時話したいだけではなくうらやましがられたいと思っているもの。そんな相手に効果的です。

・それは、それは
自慢話に対して驚いて見せたい時に使うフレーズ。相手が大げさに誇張して話していると思う時に効果的。

・素晴らしい!
「ここぞ」という時に使うあいづちです。話のクライマックスに称賛を込めて「素晴らしい!」とあいづちすると相手に満足感を与えます。

・すごいですねえ
いかにも感心していることを示すためのあいづちです。

◆話を引き出すのに効果的なあいづち
お客様との対話ではいかにお客様の望んでいることをヒアリングできるかが大きなポイントですよね。

・と、おっしゃいますと
相手が言葉を濁したり抽象的な言い方の時に使うフレーズ。

・なるほど
定番中の定番ですが、同意した意図を感じさせるのに便利です。

・ほう、そういうものですか / そういうものなんですね
「知りませんでした」というより話題に関心を持っている印象を与えます。

・それから、どうしたんですか
相手の話をさらに引き出したい時に使えるフレーズ。「それから?」と向ければ相手は気分よく話すことができます。


◆共感している事が自然に伝わるあいづち

「この人だったらわかってくれる」「この人だったら信頼できる」と感じてもらえる関係とは、言い換えれば、「この人だったら話を聞いてくれる」「この人には何でも話ができる」という関係のこと。この関係を築くために共感力はとても大切です。

・まったくです
「完全に」という意味があるので全肯定している印象を与えます。さらに深く同意したい時は「まったくおっしゃる通りです」。

・お察しします
「そのとおりです」「わかります」などと言うと相手によっては「お前になにがわかる」と思われかねないので、「お察しします」と言った方が無難です。

・そう考えるのも当然だと思います
悩みを口にする時、解決法を考えながら話していることもあります。その方法が多少おかしく思えてもまずは否定せず「そう考えるのも当然ですね」と肯定しましょう。

・その気持ちわかります
「気持ちはわかる」と言われると話し手の気分が晴れます。

・それはさぞ、お困りでしょう
大事なのは相手に同調すること。気持ちを込めて「お困りでしょう」といえば相手は「この人は味方」だと思ってくれ、心を許すようになります。

・ご苦労なさったんですね
相手の苦労に共感していることを伝えつつ、具体的な話にまで立ち入らない態度を示せば話をはやめに切り上げさせ、本題に戻すことができます。

・一理ありますね
相手の案を一蹴したのでは不快感を持たれてしまいます。採用しない案でも「一理ありますね」「おもしろい発想ですね」と肯定的なフレーズを使いましょう。

 

こうしてみると一つの共通点が見えてきました。それはどのフレーズも否定しないで肯定していることです。確かに普段のなにげない会話でも「いや」や「でも」とつけられると否定され、突っぱねられた感じを受けるものです。突っぱねられた感じを受けるとやはり距離を感じてしまうものですよね。「とはいえ、こんなマニュアル通りの受け答えしらじらしいよ~」と思ってしまうのもまた事実。上記の言葉通りでなくてもこういう時にはこんなニュアンスの肯定的な言葉で対応しよう、くらいでいいと思います。お客様に心を開いてもらうために、少し意識づけしてみてはいかがでしょうか。

出典・できる大人のモノの言い方大全【話題の達人倶楽部】