三協アルミ【EXTERIOR PLANNING SEMINAR】レポ

2018年4月12日に神戸で開催された三協アルミの女性プランナー限定セミナーに参加しました。開催場所が御影蘇州園というだけですごいのに当日は女性プランナーが60名以上集まり、なんとも華やか! 講師はランドスケープ、パブリックアートを数多く手がけエクステリア業界に参入後は様々なコンテストで受賞。エクステリアの商品企画や開発にも携わり日本エクステリア設計協会理事としても幅広く活躍中のグランドマム株式会社のチーフデザイナー・山本結子氏。多岐にわたって活躍している山本氏のプランニングのコツやポイントを紹介してくれるセミナーでした。セミナー内容の一部を抜粋してレポートします!

◆設計前にペルソナを設定する
マーケティングの手法として「ペルソナ設定」というものがあります。これはターゲット像をより具体的に細かく設定する手法で、年齢、家族構成、どういう車に乗る、どういうファッションを好むなどの嗜好性などを細かく設定します。実際にお施主様にお会いして人柄がわかる場合はいりませんが、建物のデータや予算やある程度の嗜好性しかわからない場合はこのペルソナ設定がおおいにプランニングに役立つそうです。

◆ゾーニング、ドローイング⇒CAD入力
ゾーニング後、ドローイングし、CADで入力します。ゾーニングではそれぞれのゾーンの役割の詳細がわかりやすく記載してあります。ドローイングでは設えの説明がなされています。


よりイメージがわかるようにCADパースもつけて提出するそう。CADの良い点としてはアングルを様々に変えて何カットも撮れる点がよい、と山本氏。こちらで使用しているのは三協アルミの「スカイゲート」。カーポートですが、大開口なのでゲートとしての意味ももたせているそうです。手前の柱は黒、後方の柱は白にした理由は建物との調和を考えてのこと。

平面図・立面・マテリアルで説明するためのシート。植栽シートと分ける場合もありますが、植栽とマテリアルが混在してしまう場合には植栽の引き出し線に囲み線をつけるなど工夫をしているそうです

ゾーニング、ドローイング、CADパース、平面図・マテリアルシート…提案の幅と質の高さにびっくりしました。一つの物件にこんなにたくさんの提案をするんだ!と…。


こちらの物件のペルソナは「国際結婚した夫婦。オーストラリア人の妻は家で子ども達に英会話を教えている。友達の多い家族でいつも来客が絶えない住まい。アウトドアリビングとしてデッキテラスを作り教室だけでなくBBQやガーデンパーティーを積極的にしたいと思っている夫37歳、妻33歳、5歳の双子、3歳の息子のファミリー」。ちなみに山本氏はペルソナを考えるのが大の得意のようでご自身を「妄想族」とおっしゃっていました。さすが…!

使用用途やコンセプトがわかりやすいので読んでいるだけでワクワクしてくるゾーニング。イメージ写真をつけることでよりリアルなイメージがふくらみます。

こちらも何がどこに配置されるか、意図がわかりやすいドローイング。手描きの文字があたたみを感じさせて安心感を得るような気がしました。

基本的には天然素材のものを使用するように心がけている山本氏。「ですが、もちろんアルミなどの既製品も使用します。既製品を使う場合は使っているメーカーがあからさまにわからないようにうまく組み合わせるようにしています。」とのこと。カーポート部分に使用しているのは人工芝のスリット。人工芝は車が乗っても大丈夫な上、最近は自然なものに近い人工芝が増えているので使う機会が増えているそうです。このプランのメインコンセプトは「アウトドアリビング」なので”居心地のよさ”を最重要に。目隠し、見晴らしの良さ、部屋からのビューなど細部に配慮してあるそうです。

山本氏は昼のパースも夜のパースもどちらも提出。夜パースが簡単に作成できるのもCADの良いところだ、と。夜パースの背景は日が落ちる瞬間の夕暮れのものや、明るい月あかりのものを使用して暗くなりすぎないようにしているそうです。きちんと照明の設定をして外灯も点灯させたり、室内も明るくすることが夜パースを綺麗に仕上げるポイント。

平面図・マテリアルシートの作成の際のポイントは「マテリアルの並べ方やレイアウトの美しさも大事なポイント。画像サイズをそろえたり、整列させたり、細かい点ですがそこがきちっとなっていると全体としての美しさが際立ちます」とのことです。

まだまだたくさんのポイントやヒントをお話ししてくれた山本氏。この後の懇親会では「名刺ビンゴゲーム」などあり、女性プランナーの皆様が和気あいあいと交流されていてとてもいい雰囲気でした。今回参加できなかった方も次の機会には参加されることをオススメします!

三協アルミ