営業マン不在!「設計士とつくるデザイナーズ住宅」のマーケティング戦略

「設計事務所で家を建てる」ことを大きなウリとして、住宅業界で独自のポジショニングをしているコラボハウス。営業マンがいないことは前回の記事でご紹介しましたが、それでは一体、営業マン不在でどのように営業・集客を行っているのでしょうか?

そこにはコラボハウス代表の清家氏が編み出したビジネスプロセスがありました。一般的な住宅販売営業のプロセスは

チラシ広告 ⇒ モデルハウス見学 ⇒ 訪問活動 ⇒ 勉強会誘致 ⇒ 無料相談会 ⇒ 契約申込

ですが、コラボハウスでは

チラシ広告 ⇒ 無料相談会 ⇒ 契約申込

というビジネスプロセスをとっています。これにはもちろん根拠があるようです。

まず、チラシ広告。人の心をときめかせるようなキレイな写真を使用します。「素敵な家だな」と思わせるような写真だそうです。そこに「具体的な行動を指定した」メッセージを入れます。コラボハウスの広告には「毎週土日はお金と間取りの無料相談会やってます」というメッセージが入っています。見た人に次の行動、すなわち無料相談会への参加を促しているわけですね

清家氏いわく「具体的な行動指定が入っていない広告はキレイなだけで無駄」とのことで広告を見た人が具体的に次の行動にうつれる、そのための指定をきちんと示さないと駄目とのことです。

コラボハウスがプロセスから「モデルハウス見学」を省いたのはモデルハウス見学はその名の通り、見て回るだけで終わることが多い=集客効率が悪いと判断したから。同じく「訪問活動」も「勉強会誘致」も契約に至るまでに時間がかかりすぎて、効率が悪いと判断しました。

「無料相談会」に的を絞った理由は「無料相談会」は「座って話す場」であることが大前提だからだそうです。それに無料相談会に来る人は家のことで困っているor聞きたいこと・知りたいことがある人ばかりです。無料相談会にきて立ち話だけで帰る人はいません来店した人の100%が着座します。そしてお客様自らが困っていること、聞きたいこと、要望などを話し始めてくれます。

その場で設計士としてお客様の抱えている問題・要望に共感し、解決策を導き出し「ともに家をつくる」主旨を理解してもらえばおのずと契約率も高くなって急成長の一つの理由となったそうです。

そしてそんな急成長を遂げた会社だからこそスタッフも短い間に急増しました。清家氏が分析した「会社が衰退してしまう理由&自力でものを考える人材をいかに残すか」というお話も面白かったのでまた次回、ご紹介します。

参考:新建新聞社 住宅産業大予測フォーラムセミナー(2015年12月17日)

コラボハウス一級建築士事務所
新建新聞社