粗利率が10%もアップ!粗利を見えにくくしていた「ある問題」とは

下がる粗利率で悩んでいた株式会社イノウエのリフォームエクステリア事業部 事業部長 本間 信晴氏。
業務管理を見なおそうと決意し、顧客志向を導入しました。
顧客志向をいかにして活用し下がる粗利率の原因を突き止め、食い止めたのか、お話をお伺いしました。

RIK
 イノウエの会社の規模と、今までの業務管理について教えて頂けますか? 
本間
弊社は創業108年で、金物業を中心に事業展開をしておりました。物置き・ガレージ・カーポートなどの設置要望の需要が高まったため、リフォームエクステリア事業部を17年前に設立しまして。
現在のリフォーム売上は2店舗で約3億円です。設立当時、見積りは手書きだったんです。半年前に提出した見積りが見つからなかったり、ファイルで管理していたため探すのが大変で…。業務改善のために15年前に見積りソフトを導入しました。弊社の業務改善の第一歩ですね。
手書きの時は原価の変更や修正が難しく、利益率がわかりにくかった点が改善されました。ただ、パソコン2台にインストールし活用していたんですけど、繁忙期などはスタッフ間でマシンが空くのを待たなければいけない上に、データが統合されていないのでどちらのマシンにどの見積りデータを入力したのか不明になってしまうこともあったり…。  
RIK
粗利率に問題があると気付いた時、どういう施策を打ったんですか? 
本間
当時、物件ごとの粗利管理ではなく「テラス」「水回り」など部位によって管理していたため物件ごとの粗利は見えていませんでした。最終的に年間の粗利率で判断するしかなく、粗利率は社の目標を割っていましたね。
物件ごと個人ごとの管理をしていなかったため、どこに問題があるのかもわからない状態で。1件1件の現場を管理しないと、利益にならないと気付きました。なぜ売上が下がったか、利益が下がった原因がわからないと対策も打てない。
その後、導入していた見積り作成ソフトに「物件台帳機能」が登場してきて。早速、導入したんですが、スタッフの入力にバラつきがあったため活用できず…そんな中、新店舗が設立されて、私は店長として就任しまして。新店舗・竹尾店のスタッフにきちんと1物件ごとの原価を入力することを徹底させたんです。そして、1年後竹尾店と新発田店では粗利率に5%の差が出る結果になったんですよ。
同じ業務をしていてなぜその差が出たのかといえば、その差は純粋に「1物件ごとの管理」の一言ですね。 
RIK
それでその後は、「1物件ごとの管理」を徹底するようになったんですね。顧客志向の導入に至った経緯をお聞かせ下さい。 
本間
ずっと使っていた見積作成ソフトにシステム上のエラーが頻発、業務に支障が出るようになってきて。「もしデータが飛んでしまうと仕事にならない」という不安からシステムを変えたいと思うようになりました。
4社の業務管理ソフトを検討したが初期費用が高かったり、毎日使うには少し難しいものだったり…。顧客管理をちゃんとしたい、安定したシステム、支店を管理したいということを踏まえたらクラウドシステムがいいのかなと思いました。
そんな時たまたま顧客志向の資料を見て、一度デモを見てみようと。まず、いいなと思ったのは直感的に「使いやすそう」と思ったんです。毎日使うものだし、全スタッフが使いこなせないと意味がないので。
RIK
顧客志向導入後、変化したことなどありますか? 
本間
導入後というか、業務管理ソフトを使う上で、スタッフには予想粗利と実行粗利を意識させるようにしました。最初から取れる気だったのか、そもそも最初から見込み薄いのかスタッフに認識させるように。粗利が下がっていたら原因を追及(例えば業者の施工ミスなど)し、責任の所在を明らかにすることで、会社の問題なのか、協力業者の問題なのか、メーカーの問題なのか、お客様の問題なのかをハッキリさせました。
すると粗利率が5%アップしたんです。メーカー・業者からの請求書の間違いなどもたまにあり、見逃しがちなミスをなくすようにしました。経理担当スタッフが「顧客志向」の見積り内容と届いた請求書の内容が違うことで誤差に気付き、確認できるようになったのも大きいと思います。 
RIK
ということは「物件ごとの原価入力の徹底」と「凡ミスをなくす」ことで粗利が10%アップしたということですか? 
本間
そうですね。そういうことです。それだけのことで?って思われるかもしれませんが、担当や役割を問わず全従業員の業務、物件の原価が「見える化」できたから出来たことだと思っています。
RIK
 顧客志向を使いの上で他に良かった点や気付いた点などありますか? 
本間
営業マンの仕事状況が把握できるようになったのも大きいですね。以前の業務管理ソフトは「見積りありき」だったので見積り登録しないと案件として計上されなかったんですが来店された時点から情報が入力でき、誰がどうアプローチしてるのか把握できるのは便利です。今までは、工事終了後の売上額しかわからなかったんですが、「顧客志向」では抱えている案件の統計情報もわかるので助かります。
あと、顧客志向のいいところはクラウドシステムでぱっと見れるところですね。機能で言うと“見積もりマスター”がお気に入りです。業界で勝っていくためにはスピードが勝負だと思っています。早い折衝、早い見積、早い工事、早い回収。早いレスポンスが不可欠。
新入社員などは“見積マスター”を活用しながら仕事を覚えていけばいいし、クラウドだからネット環境さえあればどこでも繋がりますし。これから工事単価は下がる一方かもしれません。そうなると数をこなすしかないんですよね。いかに一人の人間が、効率良くスマートに業務を遂行できるかがカギだと思います。

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